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「橋下市長『現業職再試験』・・・不正採用洗い出し?」(12月13日、読売新聞)
不祥事が多発する大阪市の現業部門の職員に付いて、「採用経緯を全部明らかにし、問題が在れば再試験。」とした橋下徹新市長の発言が波紋を広げている。
塵収集や道路清掃等現業職員の採用を巡っては、議員や労働組合の口利きが在ったとする証言が跡を絶たず、「パンドラの箱を開ける事になる。」との指摘も在る。一方、不正採用が発覚すれば、市幹部は「免職以外に無い。」としており、組合側は「再試験で及第点に届かない職員の大量免職が、橋下氏の狙いでは。」と警戒している。
「職員の不祥事は、目に余る物が在る。」。市長選に当選後、初めて市役所を訪れた橋下氏は今月5日、現業職員の選考方法や競争倍率を報告する様、真っ先に総務局へ指示した。
市が昨年実施した調査では、平松邦夫市長が就任した2007年12月以降、2010年3月末迄に停職以上の処分を受けた職員は85人で、内約65%に当たる55人が現業職員だった。ライフル銃を使った殺人、葬儀業者からの「心付け」受け取り、覚醒剤の使用等に加え、4日には健康福祉局の職員が殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。橋下氏は「採用プロセスを示さないと、納税者の理解が得られない。」と語気を強めた。
市の現業職員は1万2,412人(10月現在)で職員全体の3分の1を占める。人口規模で上回る横浜市の2.5倍に達し、全市町村で最多。2006年度以降は採用を凍結しているが、以前は「営繕」、「土木」等19職種に付いて部局毎に採用して来た。
各局の人事担当者は「適切に選考して来た。」とするが、嘗て募集要項は、事業所の掲示板に短期間貼り出されるだけ。試験が在るのを知っているのは市関係者等極一部で、職員が親類縁者で占められた職場も在ったと言う。
不透明な採用は議会でも再三問題になり、「何時募集が在るのか、一切市民には判らない。」、「特定の者だけが受験する不公正な状態だ。」と閉鎖性が批判されて来た。
更に、複数の市関係者は「過去には応募時に議員や組合等の推薦や紹介等の口利きが在った。」と話す。「議員枠」も在り、知人の応募書類の脇に議員名を書いたり、市側に受験番号を伝えたりして合格を働き掛ける動きが在ったとの証言も在る。
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先月末の記事でも書いたが、其の主張には共感を覚える部分が無い訳では無いけれど、余りに独善的な遣り口等に辟易とした思いが在り、橋下新知事には懸念を抱いている。取り巻きに胡散臭い連中が少なくない事も、彼に対して多くの期待を掛けられない所以でも在る。だがしかし、今回の取り組みに関しては“原則的に”大賛成だ。
残念な事だけれど、何処の組織にも大なり小なり「不正」というのは存在している。「『コネ』を不正と捉えるか?否か?」は人によって異なるかもしれないが、「嘗て外務省で行っていた“独自の試験”では、コネ採用が平然と行われていた。」という話も在る位だ。だからコネ採用自体は驚く話では無いのかもしれないが、「大阪市の現業部門の職員に関するコネ採用の酷さは、度を越している。」という話はしばしば見聞していたし、「其の事で内部規律が緩み切り、不祥事多発の要因となっている。」という話も、強ち方向違いな指摘では無い様にも思っている。
議員や労働組合からの口利きの他に、差別問題を悪用しての採用強制も少なくないという話が在り、もし事実だとすれば、此れは逆差別と言える。差別問題を振り翳し、不正な行為を正当化したり、不当な利益を享受するというのは、全く以て許し難い事。
公務員が“組織的に”関わった不祥事は、大概「蜥蜴の尻尾切り」で終わらされてしまうので、何度も何度も同じ様な不祥事が繰り返される。もし橋下知事が過去に遡って、徹底的に膿を出し切る事が出来れば、此れはエポックメーキングな事だと言える。
唯、悩ましい点が無い訳では無い。「コネ採用により、正式な試験で採用された筈の人材が採用されなかった。」というのは許せない事では在るのだけれど、コネ採用で職員になった中には、真摯に業務に当たっている者“も”居るかもしれない。そういった人達をも「再試験で及第点に届かなかったから首!」としてしまうのも、どうかなあと思うのだ。
「試験の点数さえ良ければ、真摯に業務に当たる。」という訳でも無いし、又、「試験の点数が悪ければ、好い加減に業務に当たる。」という訳でも無いだろうから。まあ此れは「点数だけで採用を決めてしまうシステム」の問題で在って、今回の問題とは直接的にどうこうという訳では無いのだけれど。
昔の感覚のままで「父ちゃんが身体を悪くしたから戻って来い」と祖母に命じられた素直な孫(長男)が都会から戻ってきたは良かったが、大卒の仕事がない。32歳の男がアルバイト生活。という例。こんな話珍しくないです。さぞ鬱屈しているでしょうね。32で独身と言うだけでも心無いことを言われそうな田舎の旧村の人の話です。戻ってこなかったほうが良かったんじゃないかね、という例(どうせ母ちゃんも働いてるし、父ちゃんの世話は婆ちゃんがやっているのだから)です。15年前ならこの孫さんきっと市役所に入れたでしょう(この婆ちゃん議員とコネがあったので、ボンクラ次男は良い企業にこじ入れた。しかし今の時代はこの婆ちゃんぐらいのコネではそれができない)
百歩譲って「能力の在る人間をコネ採用する。」というのならば未だしも、「無能だったり、職務をサボタージュする様な輩を、コネだけで採用する。」というのは、延いては血税を浪費しているのと同じですので言語道断と言えましょう。
田舎は確かに銀行、農協もコネだねー。預金や農協の共済売ってもらわないといけないからどうしてもね…あと銀行は不祥事起こした際賠償できるバックが要るとかね…。
giantsさんの仰ることももっともだし、若いときは田舎のそんなとこが嫌でいやで飛び出したけど、今や自分の田舎にはコネで入れる役所もないよ。あのころはまだ豊かでおおらかだったのかね。若い者は出るしかない。それなのに議員連中は未だに給料上げろだの、役所幹部は天下り先確保に躍起なのよ。自分の子供世代は役所に入れられただろうけど、近所の平成生まれの親が子供が地元には残れないと絶望してる姿に何も思わないのかねと思うよ。結局自分ら世代だけが栄えればよいのかねー。行政スリム化の挙句の人減らし・採用減も縁故採用口利き手数料が入ってこなくなったとぼやいてそうだし。散々食いつぶしてきたくせにね。そして自分のところになけなしの貯金はたいて「息子娘をナントカしてくれと」やってきた人たち。そのお金を払うために親御さんがどんな思いを持っておられたかなんて考えなかったでしょうね。
「白いマフィア」ですか・・・イタリアンの方々には申し訳無いけれど、イタリアなら然も在りなんという感じがしますね。
「自分達さえ良ければ、後は知ったこっちゃない!」といった思考は、本当に残念な事。「楽して利益を享受したい。」という気持ちが自分にも無いとは言わないけれど、そういう思考が蔓延ってしまうと、結局は「国」や「国を背負って立つ子供達」に負の財産を積み重ねるだけなのに・・・。