ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークXVII」

2021年11月08日 | 書籍関連

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ストーカー化しADが自殺。「悪女」、「尻軽」と大炎上し、焼かれた女子アナ。マコトが接触したネット放火魔の中に、の“モンスター”が存在した。ネット社会の闇に、カラー・ギャング集団「Gボーイズ」が打った手とは・・・。(「炎上フェニックス」)

半グレ集団に脅かされる“パパ活女子”(「P活動地獄篇」)、女性許りを狙う“ぶつかり男”(「グローバルリングのぶつかり男」)、トラブルに巻き込まれた“デリバリー配達員”(「巣鴨トリプルワーカー」)。
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東京都池袋西口公園近くの果物屋の息子・真島誠(まじま まこと)は、“池袋トラブルシューター”とも呼ばれ、依頼された難事件を次々と解決し、住民の幸福と秩序の維持を目指す。」というのが、「池袋ウエストゲートパーク・シリーズ」のストーリー。石田衣良氏の作品の中でも、断トツで好きなシリーズ。今回読んだ「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークXVII」は、シリーズの第17弾(他に2つの外伝が存在する。)。

「『
日本の社会の闇、又、其の闇の中で藻掻き続けている弱者に光を当て、エッジ利いた表現力で描写している。』のが実に心地好い。」というのが、「池袋ウエストゲートパーク・シリーズ」が大好きな理由。今回の作品、「パパ活(実態売春なのに、こういう面白おかしく表現する事が、問題を軽くさせている様に感じる。)」、「弱者への暴行」、「雇用問題」、「ネット上の炎上問題」を取り上げた4つの短編小説で構成されている。何れも、社会的弱者への温かい眼差しが感じられ、とても心地好い。

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・おれとしては今の形で満足しているが、ひとつだけ不思議なことがある。デフレ不況少子化新型感染症がトリプル危機として押し寄せる現代ニッポンでは、仕事をたくさん抱える人間ほど、なぜか貧しく、暮らしがしんどくなってる気がすることだ。

・おれたちは今、対コロナという新たな戦時下を生きている。世界中の中央銀行がそろってこれほど金を刷りまくり借金を重ねるのは、この百年で四回目。世界大恐慌第二次世界大戦、それに記憶に新しいリーマンショックと今回だ。
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叩かれて然るべき問題を起こし、他者から叩かれるのは仕方無いと思う(其れでも、限度は在るけれど。)。でも、「全く根拠の無い事柄に対し、自身で確りと“裏取り”をする事も無く、ネット上で常軌を逸しレヴェルバッシング執拗に繰り返す。」というのは、最早犯罪だ。そういう事をしている連中が、明らかになってみれば“普通の人々”という事が結構在り、唖然としてしまう。普通の人々がしている事だからこそ、逆に問題の根深さを感じる。此れは日本だけの問題では無く、世界中で起こっている問題なのだから、社会の病巣と言っても良いだろう。

総合評価は、星4つとする。


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