ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「カササギの計略」

2017年01月24日 | 書籍関連

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僕が講義バイトを終えてアパートに帰ると、部屋の前に見知らぬ女がしゃがみ込んでいた。彼女は華子(かこ)と名乗り、嘗て交わした約束のに会いに来たと言う。済し崩し同棲生活を送る事になった僕は、次第に華子へ惹かれて行くが、彼女は難病侵されていて、後僅かな命しかなかった・・・。

 

共に過ごす時間を大切にする2人。然し、彼女には未だ隠された秘密が在った。

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第14回(2015年)「『このミステリーがすごい!』大賞」の隠し玉に選ばれた小説カササギの計略」(著者才羽楽さん)は、僕・岡部(おかべ)がバイトを終えてアパートに帰った際、部屋の前に見知らぬ美女がしゃがみ込んでいた所から話が始まる。彼女は何故か自分の名前を知っており、「何方様ですか?」の問いには「ミシェル。」の一言。再び「何方様ですか?」と問い掛けた所、行き成り平手打ち食らわした彼女は、「早く、開けてよ。」と馴れ馴れしく言うのだった。

 

「彼女は一体、何者なのだろうか?」、「嘗て交わした大切な約束とは?」、「彼女が口にした『ミシェル』とは、何の事なのか?」等々、気になる要素は多い。出出しで、読者をストーリー世界にぐっと引き込む。」という点で、成功していると言って良いだろう。

 

最初は関係性が感じられず、「何の為に描かれたのだろう?」と思っていた人や出来事が、後になって次々にリンクして行く。新人作家とは思えぬ、実に見事な筋立て

 

「幾ら美人とはいえ、見知らぬ女性を簡単に家に入れるか?狩野英孝じゃ在るまいし。」といった不自然さは在るものの、ストーリーとしては読ませる内容。

 

「愛する人の為には、他人に対してこんなにも冷酷になれる物なのか?」とゾッとする思いは残るが、最後の最後に待っている出来事が救いでは在る。

 

総合評価は、星3.5個とする。


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