「借りた物は、きちんと返す。」、子供の頃に親から叩き込まれた教えの1つ。基本的に「人から何から借りるというのが、非常に苦手な人間。」なのだが、どうしても借りなければならなかった時は、「少しでも早く返さないと、心の中がざわざわして落ち着かない。」のだ。
極端な話、借りたのが1円で在ったとしても、返さないと落ち着かない。「そんな少額、返さなくても良いのに。真面目だねえ。」と、知り合いから笑われた事も在る。そう言われても、性分なのだから仕方無い。
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「パルス・オキシメーター、全国で30万個が未返却 47都道府県調査」(7月29日、朝日新聞)
新型コロナの自宅療養者向けに都道府県が無料で貸し出したパルス・オキシメーターが、全国で少なくとも約30万個返されていない事が、朝日新聞の取材で判った。
購入価格は自治体毎に違うが、未返却数が多い東京、埼玉、神奈川の3都県分から試算すると、計約15億円となる。貸し出しは市や区等も実施しており、実際の未返却数は更に多そうだ。
パルス・オキシメーターは、血中酸素濃度を測る医療機器。貸し出しは、2020年4月に始めた国の新型コロナ感染症緊急包括支援事業の対象となり、同支援交付金が充てられた。購入や配送、回収を都道府県等が担い、今年5月に原則終了した。
朝日新聞は、全47都道府県に、自宅療養者向けの貸出パルス・オキシメーターの確保数と未返却数に付いて、今年7月上旬の状況を質問した。
45都道府県から回答が在り、確保した計約176万5,300個の内、計約30万個が未返却。確保した数を基準にすると、未返却の割合は約17%だった。和歌山、熊本の2県は、同時期の未返却数を詳しく把握していないとの回答だった。
未返却は、都道府県別では最多が東京の約7万個で、次いで埼玉約5万5千個、神奈川約4万個等。
自治体の確保数を基準にした未返却の割合は、沖縄(約44%)、佐賀(約40%)、山口(約38%)等、7県が30%超だった。
延べ貸し出し回数は「不明。」とした自治体が少なく無いが、把握していた自治体の大半が確保数を上回っており、1個を複数回貸し出していたと見られる。沖縄は確保した約4万6千個を21万回以上貸し出し、約2万個が未返却だった。
未返却者に督促すると、「無くした。」、「壊れた。」等と答える人が多いと言う。
一方、割合は群馬の約1%(272個)が最低で、岩手と茨城が2%台だった。
機器の購入価格は、未返却数の上位3都県によると,1個平均約5千円だった。
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「無くした。」とか「壊れた。」と回答したパルス・オキシメーターの未返却者の内、“事実”を語っている人間は、果たして何れだけ居るのだろうか?恐らくは其の多くが、“がめて”いるのではないだろうか。「最近、店内の買い物籠を持ち帰られる方が増加していますが、そういう事は御止め下さい。」というアナウンスを耳にする機会が増えているので、そんな気がしてならない。
「無くした。」とか「壊れた。」というのが事実だとしても、其れならば其れで「きちんと賠償する。」のが筋。「借りた物はきちんと返す。」、「借りた物を無くしたり壊したりしたら、きちんと賠償する。」、そんな当たり前の事が出来ない神経が自分には理解出来ない。
因みに自分の場合、3年前の夏頃にパルス・オキシメーターを自腹で購入した。実際に使用したのは数回だけだが。