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16歳の千葉恭平は、暴走族「阿修羅会」の特攻隊長。そして中肉中背の恭平に対し、15歳で優に180cmを超える長身の寺木達夫。
喧嘩には自信を持っていた恭平だったが、或る日偶然出逢った達夫に呆気無く倒されてしまう。自称「生涯戦績:317勝無敗」の達夫は、犯罪発生率ワースト・ワンのこの町、四月町の天下統一を目指すと口にし、それに共感した恭平は彼の“舎弟”となる。
五つの暴走族、地元のヤクザを向こうに回し、二人は旋風脚と皿割りで連戦連勝。ところが、そんな二人の前に伝説の男“ウルトラセブン”が立ちはだかり・・・。
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「みなさん、さようなら」で幻冬舎主催の第1回パピルス新人賞を、そして「ブラック・ジャック・キッド」では新潮社主催の第19回日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞を受賞した久保寺健彦氏。その第3作目が、上記した概要の「すべての若き野郎ども」で在る。「第3作目」と記したが、これは出版されたのが第3作目という事で在り、実はこの作品が彼のデビュー作に当たる。2007年にTBS&講談社主催の第1回ドラマ原作大賞・特別賞を受賞した作品で、つまり彼はこれ迄に出版された3作品で全て、何等かの文学賞を受賞している事になるのだ。
4つの章で構成されているのだが、最初の章は「帰ってきたウルトラセブン」。暴走族を相手に一人で立ち向かい、完膚無き迄に叩き潰したという伝説を持つ、謎の男・ウルトラセブン。その呼称も然る事乍ら、そう呼ばれる事になった理由が余りにも馬鹿馬鹿しく、文章を目で追っていて苦笑してしまう。全体的にそんな軽いタッチで、話は進んで行く。
「みなさん、さようなら」及び「ブラック・ジャック・キッド」では、映画「スタンド・バイ・ミー」を見終えた際の感覚、あの何とも言えないほろ苦さを感じたのだが、今回の「すべての若き野郎ども」は映画「グローイング・アップ」シリーズに似た、少年達の“青さ”が伝わって来る。しかし最後の最後は、やはり「スタンド・バイ・ミー」のテイストになっているのが心憎い。
過去の2作品は、共に「星3つ」というのが自己評価。ハッキリ言って「平均レベル」という評価なのだが、不思議にその文章には魅かれてしまう。今回の総合評価も星3つだけれども、やはり文章には魅せられた。不思議な作家だ。
16歳の千葉恭平は、暴走族「阿修羅会」の特攻隊長。そして中肉中背の恭平に対し、15歳で優に180cmを超える長身の寺木達夫。
喧嘩には自信を持っていた恭平だったが、或る日偶然出逢った達夫に呆気無く倒されてしまう。自称「生涯戦績:317勝無敗」の達夫は、犯罪発生率ワースト・ワンのこの町、四月町の天下統一を目指すと口にし、それに共感した恭平は彼の“舎弟”となる。
五つの暴走族、地元のヤクザを向こうに回し、二人は旋風脚と皿割りで連戦連勝。ところが、そんな二人の前に伝説の男“ウルトラセブン”が立ちはだかり・・・。
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「みなさん、さようなら」で幻冬舎主催の第1回パピルス新人賞を、そして「ブラック・ジャック・キッド」では新潮社主催の第19回日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞を受賞した久保寺健彦氏。その第3作目が、上記した概要の「すべての若き野郎ども」で在る。「第3作目」と記したが、これは出版されたのが第3作目という事で在り、実はこの作品が彼のデビュー作に当たる。2007年にTBS&講談社主催の第1回ドラマ原作大賞・特別賞を受賞した作品で、つまり彼はこれ迄に出版された3作品で全て、何等かの文学賞を受賞している事になるのだ。
4つの章で構成されているのだが、最初の章は「帰ってきたウルトラセブン」。暴走族を相手に一人で立ち向かい、完膚無き迄に叩き潰したという伝説を持つ、謎の男・ウルトラセブン。その呼称も然る事乍ら、そう呼ばれる事になった理由が余りにも馬鹿馬鹿しく、文章を目で追っていて苦笑してしまう。全体的にそんな軽いタッチで、話は進んで行く。
「みなさん、さようなら」及び「ブラック・ジャック・キッド」では、映画「スタンド・バイ・ミー」を見終えた際の感覚、あの何とも言えないほろ苦さを感じたのだが、今回の「すべての若き野郎ども」は映画「グローイング・アップ」シリーズに似た、少年達の“青さ”が伝わって来る。しかし最後の最後は、やはり「スタンド・バイ・ミー」のテイストになっているのが心憎い。
過去の2作品は、共に「星3つ」というのが自己評価。ハッキリ言って「平均レベル」という評価なのだが、不思議にその文章には魅かれてしまう。今回の総合評価も星3つだけれども、やはり文章には魅せられた。不思議な作家だ。
きっと
http://jp.youtube.com/watch?v=XT54T42ldec
↑
この歌の邦題から取ったんだろうな。
有名な歌です。
http://en.wikipedia.org/wiki/All_the_Young_Dudes_(song)
今夏に読んだ小説「ゴールデンスランバー」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/3f3b1986f4e38a70c9d573b1edb052fb)のタイトルは、ビートルズの曲「ゴールデン・スランバー」に因んで付けられたそうですが、この曲自体を知らない程の洋楽音痴。今回のタイトルも、元になった曲が在ったとは全く知りませんでした。
有名な歌との事で、「それを知らない自分は相当ヤバイなあ。」と改めて思った次第です。
本が大好きな人間にとっては古本(と言っても、その殆どが新しいのですが。)が安価に購入出来るのは嬉しい反面、叩き売りみたいになっているのは哀しくも在りますね。読む側がそうなのですから、必死で書き上げた作家にしたら堪らないでしょうね。作品は作家にとって、自身の子供の様な存在でしょうから。
伊坂作品は「アヒルと鴨のコインロッカー」が「?」という感じで、途中で読むのを止めてから、ずっと敬遠していたのですが、「ゴールデンスランバー」がなかなか面白かったので、過去に遡って読んでみようかなと思っております。