ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「俺ではない炎上」

2022年07月18日 | 書籍関連

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或る日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。既に実名&写真付きでネット素性曝され、大炎上しているらしい。全くの事実無根だが、誰1人として信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも。本の数時間にして、日本中の人間が敵になってしまった。必死の逃亡を続け乍ら、男は事件の真相探る
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「2021週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」の6位「このミステリーがすごい! 2022年版【国内編】」の8位、そして「2022本格ミステリ・ベスト10【国内編】」の4位に選ばれた小説六人の嘘つきな大学生」(著者浅倉秋成氏)。自分が浅倉作品を読むのは此の時が初めてだったが、総合評価を「星3.5個」とした。端的に言えば、「まあまあの内容かな。」という感じ。で、今回読んだのは「俺ではない炎上」で、浅倉作品としては2冊目となる。

1960年代、アメリカで放送されたTVドラマに「逃亡者」というのが在り、大きな反響を呼んだ。「妻殺しの濡れ衣を着せられ、死刑宣告された医師リチャード・キンブルが、警察追跡を逃れ乍ら、真犯人を捜し求めて、全米を旅する。」という物語だが、以降、日米でリメーク版が幾つも制作された。

「俺ではない炎上」は、「逃亡者」のリメーク版と言っても良いだろう。50代で人も羨む様なルックスと成功を得ている
山縣泰介(やまがた たいすけ)が、連続殺人犯という濡れ衣を着せられ、逃亡する物語だからだ。

、1960年代に放送された「逃亡者」とは時代が異なるので、彼を追い詰めて行く“主体”は、面白おかしく、そして無責任に山縣の情報を曝して行く“ネット民達”で在る。其の殆どの情報がデマで在り、「自分とは無関係だからこそ、平然とデマを拡散する事に躊躇が無い。」のが、現実社会で良く起こっている事だけに怖さを感じる。

最後読んでも、「どういう事なの??」と理解出来ない人も居られると思う。ネタバレになるので詳しくは書かないが、ミステリーには良く在る「時間軸ずれを利用して、読み手の誤解を生じさせる手法用いられている。」からで在り、其の辺の“丁寧な説明”が無いので混乱してしまうのだ。

自分はツイッターを利用した事が無い。だから、ツイッターに付いて書かれても、正直良く判らない。唯、「そういう機能が在るんだ。」と勉強になる記述は在ったが・・・。

登場した時点で、「多分、此の人物が真犯人なんだろうな。」という予想は当たったけれど、上記した“丁寧な説明”が欠如しているので、謎解きの面ですっきり感が無い。
其れが大きな減点ポイントで在り、総合評価は星3.5個


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2 コメント

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初めまして (幼稚絵NJU)
2022-07-26 15:02:14
題材的に興味を引く小説ですね。
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>幼稚絵NJU様 (giants-55)
2022-07-26 15:45:49
初めまして。書き込み有難う御座います。

インターネットが普及した“今”だからこそのテーマでしょうね。昔とは異なり、「インターネットによって誰しもが、爆発的なスピード&広さで“情報”を拡散出来る世の中。」となった。問題なのは、其の情報に嘘が少なからず存在する事でしょう。

ネット情報のみならず、我々は“見聞した情報”の真偽を自分の頭で冷静に判断しないといけない。

今後とも、何卒宜しく御願い致します。
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