ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

少なくとも“正攻法”とは言えないだろう

2021年09月22日 | 時事ネタ関連

サブリミナル効果」というのが在る。「『オウム真理教事件』が日本を震撼させていた1995年、日本テレビ系列のTVアニメで使用されていた事で問題となった。」ので、御存知の方も多いだろう。意識潜在意識境界領域より下に刺激を与える事で、表れるとされている効果。の事だ。

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防衛省、芸能人等インフルエンサー100人に接触計画 予算増狙い」(9月17日、朝日新聞

防衛予算の大幅増額を目指し、防衛省がユーチューバー等に「厳しい安全保障環境」を説いて回る取り組みを計画している。今月、100人を想定して、対象者の選定作業に着手ネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」等を味方に付ける狙いだが、省内には予算増在りきの世論喚起策に、懸念の声も出ている。  

省関係者によると、今月、計画を示した文書が省内に示された。「防衛予算の大幅な増額を実現する。」との目的に加え、有識者やインフルエンサーに「省全体を挙げて」説明するとの方針が明記されている。島田和久事務次官による指示とも謳われていると言う。  

働き掛けの対象は「民に影響を有する防衛・安全保障が専門では無い学者、有識者、メディア関係者。」。100人程度をリストアップする、省内に推薦を求めている。具体例として、国の財政予算の在り方等を議論する財務相諮問機関財政制度等審議会」の学者や経済界幹部の他、TVのニュースや情報番組に出演する有識者や芸能人、ユーチューバー等を挙げている。
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1957年にアメリカで、「映画
映写されているスクリーンの上に、『コカ・コーラを飲め。』、『ポップコーンを食べろ。』というメッセージが書かれたスライドを1/3,000秒ずつ、5分に繰り返し二重映写した所、コカ・コーラに付いては18.1%、ポップコーンに付いては57.5%の売上増加が見られた。」という“実験”の話を、見聞された方は少なく無いだろう。サブリミナル効果の例として非常に有名な話だが、「実際にはそんな実験は行われておらず、虚構だった。」と言う。

防衛予算の大幅増額を目指し、防衛省がユーチューバー等に『厳しい安全保障環境』を説いて回る取り組みを計画している。」という今回のニュース、「社会的影響力の在る人間を防衛省シンパに仕立て上げ、彼等のプロパガンダによって国民を洗脳し、そして防衛予算の大幅増額に繋げる。」というのは、何かサブリミナル効果と相通じる所が在る様に思う。少なくとも“正攻法”とは言えないだろう。

1968年に放送されたウルトラセブンの第26話「超兵器R1号」の中で、今も忘れられない言葉が在る。「ウルトラ警備隊が属する地球防衛軍が、侵略宇宙人への対抗策として、新型水爆8千個分の破壊力を持つとされる惑星破壊兵器『R1号』を開発し、生物が存在しないとされている惑星に向け、使用実験が行われる事となった。結果的に言えば、其の惑星には生物が存在し、R1号を打ち込んだ事巨大化した其の生物が地球を襲う事になるのだが、使用実験が行われる前、超兵器を開発した事で浮かれるウルトラ警備隊の隊員達は、『R1号が通用しない敵が現れたら、更に強力な兵器を作れば良い。』等と言い出す。宇宙人で在るウルトラセブン人間態モロボシ・ダンは『侵略者は、超兵器に対抗して、もっと強烈な破壊兵器を作りますよ!』と“限りの無い闘い”を訴えるが、誰も理解してくれない。」という状況で、モロボシ・ダンが言ったのが其れは、血を吐き乍ら続ける・・・悲しいマラソンですよ。という重い言葉だった。

「防衛予算を増額しては駄目。」なんて主張する気は無い。“限りの無い闘い”という事を判った上で、本当に防衛費を増額すべきならば、政府なり防衛相なりが“具体的な理由”等を提示した上で、正々堂々と国民に訴えるべきで在る。自民党ネットサポーターズクラブ」によるプロパガンダが功を奏している事から、今回の様な“作戦”を考え出したのかも知れないが、遣り方に薄気味悪さを感じてしまう。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2021-09-23 16:33:23
こんにちは
専門知識のない人間に宣伝を任せるということであれば、科学的根拠よりも情に訴える作戦ということでしょう。
giants-55さんも思っておられるように、日本を取り巻く状況を思えば無手勝流は通じにくいし、一定程度の国防費は必要なんでしょうが、軍事費増額は「仮想敵国」を刺激し、際限のない軍拡競争の末、実際の戦争の前に経済破綻を起こしてしまう、というリスクを抱える事になります。
少なくとも国民には姑息な手段を使わず、どこまでなら許容できるか、その限界をも示したうえで議論の俎上に上げるべきものだと思います。
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>悠々遊様 (giants-55)
2021-09-24 00:54:54
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

何度か書いた事ですが、小泉政権では「仮想敵を作り上げ、センセーショナルに叩く事で、世論誘導を図る。」という風潮を作り上げた。そして、安倍政権になって、そういう風潮に加え、「正攻法で物事を進めるのでは無く、陰でこそこそ行う。其れが露呈すると誤魔化したり、黙りを決め込んで、嵐が過ぎ去るのを待つ。」という不誠実な遣り方が当たり前の風潮になってしまった。

真に軍事費増額が必要ならば、其の根拠を具体的に掲げた上で、正々堂々と国民に示すべき。でも、「2019年の参院選広島選挙区の大規模買収事件に関し、元法相の河井克行被告等の党支部に提供した1億5千万円に付いて、地方議員や後援会員等への買収には一切使われていなかった。」(じゃあ、何故、河井夫婦“だけ”に破格な金が配られたのか?河井夫婦が買収に使った大枚の“原資”は、何処に在ったのか?そういう事も示さないのは、全く理解出来ない。)、自民党総裁選に注目が集まっている間隙を縫い、“根拠も示さずに”抜け抜けと発表した自民党ですから、そんな事はしないでしょう。
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