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「荷物叩き付ける動画【動画】 佐川急便が従業員と認め謝罪」(12月27日、NHK NEWS WEB)
物流大手、佐川急便の制服を着た男性が、配達中の荷物を地面に叩き付けている動画がインターネット上に投稿されている事に付いて、会社は、従業員による行為で在る事を認め、謝罪する共に、此の従業員の処分を検討しています。
インターネットの動画投稿サイト「YouTube」には、今月上旬から、マンションの前で佐川急便の制服を着た配達員が台車を何度も放り投げたり、荷物の箱を地面や台車に叩き付けたりする様子が映された動画が掲載されました。
佐川急便が調査した所、此の配達員は正社員の従業員だった事が判りました。
配達員は、配達先が不在だった荷物を車に戻す途中だったという事で、会社の調べに対して「色々な事に苛々して遣った。」と話しているという事です。
荷物は此の後、配達されたと見られていますが、会社では、配達先を確認中で、判り次第、顧客に謝罪すると共に、荷物を交換する対応を取る事にしています。
又、此の従業員を現在は、配達の業務から外し、処分を検討しています。
佐川急便は「従業員の軽率な行動で、関係者の皆様に御迷惑と御心配を御掛けし、誠に申し訳御座いません。」と話しています。
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当該動画を初めて見たのは数日前だったが、「本当に佐川急便の配達員なのだろうか?成り済ましではないのか?」という思いも在ったので、記事にするのは控えていた。其れ程、考えられない映像だったのだ。
フィーチャー・フォンが普及して以降、誰もが日常的に写真や動画を撮れる様になった。そして、動画投稿サイト等がメジャーな存在になった事で、誰もが撮った写真や動画を世界中に知らしめる事が出来る様になった。一寸した愚かな言動でも、一般人が撮影&投稿する事で、大問題となってしまう御時世。「公の場(直ぐ傍を、普通に人が通行している。)でこんな事をしたら、どういう事になるか?」位、件の配達員は判らなかったのだろうか。考えられない位に苛々していたのかもしれないが、全く愚かな事だ。
彼が遣った事は決して許されないし、非難されても仕方無い。でも、気の毒な気がしたりもする。
今回の件、某情報番組でも取り上げていた。「こういった事が起こってしまった背景には、“3つの現実”が在るのではないか。」という事だった。其れは「宅配量の急増」、「細かい指定」、そして「近年のマンション事情」。
先ず、「宅配量の急増」に付いて。約20年前、日本の年間総宅配量は「約13億2,800万個」だったが、昨年は「約37億4,500万個」だったそうだ。約20年で約2.8倍になり、此れは昨年の日本の総人口(1億2,711万47人)を考えると、赤ん坊も含めて約29個/人が宅配を年間で利用している計算になる。
「細かい指定」とは、宅配の時間指定等。最近では、「一定地域に限り、一定料金を支払うと、注文から1時間内で配達する。」なんていうサーヴィス迄登場している。個人的に「過剰サーヴィスは、必ず無理が来る。」という思いが在るのだけれど、唯でさえ「激務により、配達員の離職率が高い。」と言われている物流業界だけに、「宅配量の急増」や「細かい指定」が、何れだけ配達員達のストレスになっているかは想像するに難くない。
最後の「近年のマンション事情」というのは、台車で荷物を運ぶのに便利なスロープが無いとか、宅配ボックスの絶対量が足りないといった設備的な問題。加えて、此れはマンションだけに限らないが、届け先が不在により、何度も再配達しなければならないというのも、配達員達にとってはストレスだろう。
「仕事なんだから、其の程度の事で苛々している様では駄目。」という声も在るだろう。其れは其の通りなのだが、今後、宅配量はどんどん増えて行くで在ろう中、“配達員達を守る環境作り”が大事だと思う。