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「『消えたプッチンプリン』他人事で無い 専門家が警鐘 システム更新『2025年の崖』」(5月13日、テレ朝news)
システム障害によるプッチンプリンの出荷停止が、企業の業績に大きな影響を与えました。
スーパーマーケット「セルシオ和田町店」食品担当・久保田浩二さん:「グリコのビッグプッチンプリンですね。欠品中になっております。此の場所に入っていたが、空になっている状況ですね。」。
容器の底に在る摘みを折ると、プリンがツルン。発売から50年を超える江崎グリコのロングセラー商品「プッチンプリン」が、商品棚から消えてから1ヶ月近くが経ちました。
客:「“プリンならプッチンプリン”みたいな感じがする。寂しいです。」
客:「一寸悲しいです。子供の為に在って欲しい。」。
此のスーパーでは、他にも10を超えるグリコの商品が消えています。
久保田さん:「商品の供給が無いので、店としても大きく売上にも響いて来る。他のメーカーの商品を宛てがって、売り場を埋めているという状況。」。
こうした事態の要因は先月、基幹システムを更新した直後に発生したシステム障害です。システム上の在庫数と現実の在庫数が一致しなくなったのです。何とか乗り切る方法は無いのでしょうか。
神戸大学大学院・森井昌克名誉教授:「大量に発送したりとか、色んな物を作ったり、配送先も色々在りますから。今は完全にコンピューターに頼っているが、其れが動かないと、其れに代わって人が遣ろうという話になると、更に失敗をして行くという可能性が高くて。システムの復旧を待つという状況になってしまう。」。
経営への打撃は深刻です。江崎グリコは先週、「システム障害の影響によって、今年1年の売上高が当初予想の3,510億円から150億円減少し、3,360億円になる。」という見通しを示しました。
最終的な儲けを示す純利益は、此れ迄の予想より40億円少ない110億円になる見込みで、増益予想から一転、減益です。
専門家は、一連の事態の背景に「“2025年の崖”問題が在る。」と警鐘を鳴らします。
プッチンプリンが消えて、1ヶ月。システムの復旧作業は思う様に進まず、出荷の再開時期は決まっていません。
こうした問題は、多くの企業がシステムの更新時期を迎える来年以降に多発する可能性が指摘されていて、「2025年の崖」とも呼ばれています。
森井名誉教授:「各社、こういう状況が起こり得るという事で、対策を取って行かないと、システムが動かないだけでは無く、経営に非常に関わって来る。」。
経済産業省は「2025年の崖による経済損失が12兆円に上る。」と試算していて、早急な対策が求められます。
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「2025年の崖」とは、「2018年に経済産業省の『DXレポート』で言及された、日本企業の既存の基幹システムが刷新されず、老朽化する事で、2025年以降、年間に最大12兆円の経済的損失が発生すると見込まれる問題。」と言う。
先月、基幹システムを更新した直後に発生したシステム障害により、江崎グリコは「今年1年の売上高が当初予想の3,510億円から150億円減少し、3,360億円になり、最終的な儲けを示す純利益は、此れ迄の予想より40億円少ない110億円になる見込みで、増益予想から一転、減益。」という事で、1年前倒しで「2025年の崖」を迎えた事になる。
「2000年問題」を始めとして、過去に「大規模なシステム障害の可能性」を何度か指摘されて来たが、幸いにもそんなに大きな問題には到らなかった。でも、「2025年の崖」に関しては今回のグリコの問題を考え合わせると、大きな問題になりそうな気がしている。