田代第7トンネルを抜けて4分後の10時40分、上図の「白樺荘」の前を通りました。この「白樺荘」には帰途に立ち寄って温泉入浴の休憩をとる予定でした。とりあえず路側に停車して上図の写真を撮ったのみで、すぐに発進しました。
それから細い道、連続するカーブをひたすら走り続けて12分後、10時52分に上図の地点に達しました。目的地の畑薙第一ダムが林間にようやく見えてきたのでした。原作コミック第11巻39ページ7コマ目とほぼ同じアングルでした。土岐綾乃が「リンちゃん」と言い、志摩リンが「う うむ」と返したあの場面です。
それから2分走って、畑薙第一ダム南脇の観光駐車場に着きました。右に見える半円形の妙なコンクリート製のスロープ通路は、ダムを見物するための展望路なのでしょうか。試しに登ってみましたが、かなり急なスロープでした。階段にすれば良かったのでは、と思いました。
原作コミック第11巻2ページのカラー図と同じアングルです。左端の丸太標に白い字で「畑薙湖」とあるのも同じです。青空の下に白く輝く赤石山系の山並みも綺麗でした。この位置で、志摩リンと土岐綾乃がダム湖と赤石山系の冠雪の並びを眺めていたのでした。
ダムの上は県道60号線が通って沼平ゲートまで続いています。私もこれから進みます。
ダム湖の畑薙湖も水位が低下していました。先に見てきた井川湖が北側ではほとんど底が見えている状態でしたから、その上流の畑薙湖も水が少ないのだろうと予想はしていましたが、思ったよりも少ないので驚きました。このぶんだと、畑薙湖も北のほうでは水が無くなっているのかもしれないな、と考えました。
なにしろ、こんな状態でした。後で中部電力の情報サイトを見て知ったのですが、このときの畑薙湖の水位が年間最低のレベルにあったということでした。井川湖もそうでしたが、こんな状態の畑薙湖は年に一度見られるかどうか、ということでした。
志摩リンと土岐綾乃が居た位置を見ました。到着後、堤上に「ぐふう」とへたりこんだ、原作コミック第11巻40ページ2コマ目の位置です。
昨日見た井川五郎ダムも立派でしたが、こちらの畑薙第一ダムはもっと立派です。堤頂長275メートル、堤高125メートルの中空重力式コンクリートダムで、この型式単体のダムとしては堤高が世界一であるそうです。こんな大きなダムを太平洋戦争敗戦後17年目にして造ってしまうのですから、復興がいかに速かったかがうかがえます。
ダムを見物するための展望路とみられる半円形の妙なコンクリート製のスロープ通路の上から撮りました。高さが2メートルほど上がったぐらいでは、景色の見え方に大して差はありませんでした。
ダムの管理施設および発電所設備はダムの向こう側、北脇の斜面上に並んでいました。
原作コミック第11巻40ページ4コマ目のアングルです。この位置で志摩リンが「この先に畑薙の吊り橋があるんだっけ・・・」と言い、土岐綾乃が「通行止めゲートがあってバイク入れないけどねぇ・・・」と返しているシーンです。この後でリンが吊り橋まで行こうと言い出し、結局は綾乃も折れて沼平へ向かったわけですが、今日は私も同じように吊り橋へと向かったのでした。 (続く)