SMEI / ドラベ症候群 / 重症乳児ミオクロニーてんかん について

SMEIの診断を受けた長男に関連して調べたことたち

バルプロ酸の内服と血小板減少

2013年10月06日 | 治療・予防など

容量と関連して骨髄抑制による血小板減少の副反応あり(1-24%)

時に容量と関連して、出血傾向等の重篤な血小板減少を生じうる。
多くは薬剤の中止により血小板は正常化するが、もし出血や内出血、鼻血等の症状があれば、薬剤を減量するか中止する。
また治療開始前には血小板値を測定し、定期的に経過観察を行う。 

 

てんかんに対する血中濃度の地領行は50-100mcg/mL (SI: 350-700 micromole/L)である。
てんかん発作のコントロールは100 mcg/mL (SI: 700 micromole/L)以上で改善することがあるが、副作用も100-150 mcg/mL (SI: 700-1040 micromole/L)では起こりうる。
臨床的な副反応はより低値でも生じうるが、いくつかの報告では200 mcg/mL (SI: >1390 micromole/L)以上を有害な閾値として報告している。
おそらく、血小板減少は女性であれば110 mcg/mL以上、男性であれば135 mcg/mL以上の血中濃度で増加する。 


バルプロ酸内服に関連した血小板減少と肝機能障害に関する研究
Valproic acid and thrombocytopenia: cross-sectional study(Hong Kong Med J. 2001).

バルプロ酸の血中濃度、年齢、内服期間、多剤併用と血小板減少の関連性、高容量のバルプロ酸内服の臨床的影響を横断的に調査。香港の小児科に神経系疾患んで外来通院し、バルプロ酸を内服している患児96名を調査。対照としてパルプロ酸以外の抗てんかん薬を内服している患児48名を調査。バルプロ酸治療時の血小板値、肝機能検査、容量、血中濃度。

バルプロ酸の治療を受けている17.7%に血小板低下が見られたのに対して、対照群では4.2%だった(P<0.05)。血小板値とバルプロ酸の血中濃度、年齢は直接の相関関係を認めなかったが、多剤併用治療では相関関係を認めた。バルプロ酸による治療期間は血小板減少における年齢と関連した減少の交絡因子ではなかった。血中濃度が450micromole/L以上または容量が40mg/kg/day以上の患児では血小板減少を生じやすい傾向にあった。多くの症例で血小板減少の程度は軽度であった。

血中濃度のトラフ値が450micromole/L以上か、または内服容量が40mg/kg/day以上の患児では血小板減少に注意するべきである。リスクは年齢の高い子供で増加する。高容量のバルプロ酸を内服している患児で凝固機能に影響を与える薬剤を内服している場合や外科手術を受ける場合等は血小板値を監視すべきである。


小児におけるバルプロ酸と血小板減少: 後方症例対象研究
Valproic acid and thrombocytopenia in children: a case-controlled retrospective study(Pediatr Neurol. 1996).

結論:小児に出血傾向を伴うような重篤な血小板減少を生じるリスクは稀である。
軽度の血小板減少は薬剤を中止しなければいけないようなことはない。
高い血中濃度は血小板減少と関連し、そのような患児では容量増加後の血小板の経過観察を行うべきである。

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