胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Intestinal spirochetosis

2009-02-17 | 大腸炎症
 Intestinal spirochetosisも「稀な疾患」ではなくなってきましたね。あるクリニックの大腸生検では10日で3例もありました。見逃していることも多いと思いますが、比較的若い方で下痢と書かれていたので、いつもよりじっくり見たためかもしれません。
 10年以上前、大腸生検の診断で独逸流アルゴリズムを叩き込まれ、その中で
・付着物質をみる(アメーバなどを見落とさない)
・spirochetosisを見落とさない。(アメーバとの組み合わせ、というのもよくあります)
・上皮内リンパ球をみる(lymphocytic colitisやsprueに注意:これは日本にあまりなさそうですね。)
・被蓋上皮の変性所見は?
・上皮下のcollagen bandは?
・・・・・・
という所見をいつも気にして、順序だてて見るようにと若い先生方にも教えているので、私の周りにはぎょうさんあります。
 病原性、治療法などは議論のあるところです。
 最近はT. pallidumの抗体(UKのメーカーから出ている)と交叉反応を起こして、きれいな免疫染色ができることが報告されていますが、濃い目のヘマトキシリンで十分わかると思います。
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6 コメント

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欧米化? (Dr Currry)
2009-02-17 17:55:01
東京に来て1年、約30例くらいは診断したように思う。
ちょうど、今日も1例診断した。

田舎・福岡より大都会・東京でこれが多いのかと思っていたら、Prof. Rockもこの1年でかなりの症例を経験しているとのこと。

他ではあまり見つけたという話を聞かないので、皆見逃しているのでしょう。ムシを無視しないようにね!
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Unknown (ドクトル・クッシー)
2009-02-17 18:44:40
Dr Curryどの
いつも、来室、コメントありがとう
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同感です (横這派)
2009-02-18 00:18:31
私も先々月は月に3例診断しました.意識する様になってから見つかりだした印象です.先日私の前職場の先生に,大腸ESD標本の背景粘膜および腫瘍の表面にスピロヘータがいる症例を見せて頂き感心しました.ポリペク・EMR標本にも隠れているかもしれませんね.
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Unknown (ドクトル・クッシー)
2009-02-19 18:32:23
横這派先生。いつもご来室ありがとう。
僕も偉そうなことを言っていますが、毎日山のように診断している腺腫なんかの生検、ポリペク・EMRでは確実にぎょうさん見逃していると思います。
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げげっ。。。 (流しの病理医)
2009-02-21 10:30:30
比較的、虫好きの私ですが、意識して見ていませんでした。今日から、真面目に探そうと思います。

 そういえば、先日、手術材料でアキサキスが胃壁に突き刺さっていたのがありました。術前の内視鏡では写っていなかったので、「胃を取っちゃうから最後に寿司でも」と新鮮なお魚を食べたんでしょうねぇ。。。
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アニサキス (ドクトル・クッシー)
2009-02-21 22:00:12
流しの病理医さま。いつもご来室ありがとう。
がんの専門病院でも、市場の前にあったりするとアニサキス(+)って言うのもありなのでしょうね
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