胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Intestinal spirochetosis

2009-02-17 | 大腸炎症
 Intestinal spirochetosisも「稀な疾患」ではなくなってきましたね。あるクリニックの大腸生検では10日で3例もありました。見逃していることも多いと思いますが、比較的若い方で下痢と書かれていたので、いつもよりじっくり見たためかもしれません。
 10年以上前、大腸生検の診断で独逸流アルゴリズムを叩き込まれ、その中で
・付着物質をみる(アメーバなどを見落とさない)
・spirochetosisを見落とさない。(アメーバとの組み合わせ、というのもよくあります)
・上皮内リンパ球をみる(lymphocytic colitisやsprueに注意:これは日本にあまりなさそうですね。)
・被蓋上皮の変性所見は?
・上皮下のcollagen bandは?
・・・・・・
という所見をいつも気にして、順序だてて見るようにと若い先生方にも教えているので、私の周りにはぎょうさんあります。
 病原性、治療法などは議論のあるところです。
 最近はT. pallidumの抗体(UKのメーカーから出ている)と交叉反応を起こして、きれいな免疫染色ができることが報告されていますが、濃い目のヘマトキシリンで十分わかると思います。
コメント (6)
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