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胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

「似て非なるもの」(3), Ninja's polyp

2008-12-02 | 胃分化型腺癌
 さきほどのルーペ像の一部を拡大しました。写真上部が胃型腫瘍、下部が過形成の腺窩上皮で、明瞭なフロントがあります。胃型で高分化型かつ低異型度のadenocarcinomaです。腺窩上皮と似ています。英米ではgastric-type dysplasiaでしょうか?本例では腫瘍のところだけp53蛋白の過剰発現がみられました。
 染めるまでもなく、MUC5ACが主体の陽性像を示すはずですが、このような「胃型」腫瘍で、MUC2がパラパラと染まってくることが多いです(胃優位型)。非腫瘍胃粘膜に腸上皮化生が起きるのと同様、腫瘍の部分も腸の方向へ多少は向かうようです。Prof.Ninjaの時代は電顕とPAS染色で胃型と記載されました。十数年前に私が数を増やして焼きなおし論文を書いたときにはGOS、conA(III)とHID-ABに染まるので、胃型やけれども腸方向への分化もあろうと屁理屈をこねました。
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「似て非なるもの」(2) 過形成性ポリープの癌化

2008-12-02 | 胃分化型腺癌
 伊賀流一門の恩師が1985年のJ. Clinical Pathologyに腺窩上皮型過形成性ポリープ内には腸上皮化生があまり見られず、そこに発生する腫瘍は胃型のものが多いと記載し、gastric-type dysplasiaとかgastric-type adenocarcinomaが注目されるきっかけになりました。今もよく引用されています。久しぶりにNinja's polypに遭遇しました。ルーペ像です。どうぞクリックして下さい。
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