前回の話の続きです。
そんな風にBLが苦手だった私ですが、それでも昔からそれを意識していたこともあって、かつてはちょっとむっとした出来事もあった。
BLが普及してきた当時ゲイの男性からこういう声が上がったのだ。
「今女性が男性同性愛を描く小説やマンガがあるが、あれはやはり女性が描いた女性が読むもの。本物のホモ(ゲイ)はそういうのは読まない」と。
自分自身読まないくせに、むっとするのもどうかだが、さすがにその言葉には反感を持った。男性が女性を小説やマンガに描くとき、そういう女はいないだろうという場合も多々あるのに「それは男性の夢だから」という理屈で通したりするわけで、女性の描くBLもまた男性同性愛への夢の形なわけですよ。
しかし時間が流れ世は変わり、新しい若いゲイ君たちが「自分がゲイだと気づいて何か本を読みたいんだけど本格派のホモ本のある場所は行きにくいし敷居が高い。そんな時、BLという本があると知ってそれを手に取った」と。
本物のゲイ君が初体験の教科書としてBLを読んじゃったわけですね。
いやはや、かつての発言をなされたゲイ氏はこの若ゲイ君を見てどうおっしゃったのやら。
その後も若いゲイ君たちを見てるとやはりポルノグラフィーとしては本格派ゲイものを好まれるようだけど、しんみりしたいときはBLを選んでいるようでちゃんと両方を楽しんでいる様子なのが微笑ましいです。昔むっとした気持ちも晴れて「ああ、あの方は若いゲイくんたちのような楽しみ方ができなくて残念だったですねえ」と優しいまなざしを送りたい。
いやいや自分もどうですか、ですけどね。
上右の画像、尾鮭あさみ氏はその中で好きな作家でありました。
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