◆ 「月不見」(つきみず) 日本画 20号 (72.7 × 44.5 cm)
ドイツ西部の小さな街フロイデンベルグ Freudenberg がモデルです。
大都市ケルンから東へ60キロほど。
グレーの屋根、白い壁と黒い木材のコロンバージュ様式のモノクロの家屋が立ち並びます。
コロンバージュの街並みはヨーロッパ北部に分布していますが
ここは、整然と区画された土地に同じようなサイズで建てられており
思わず建売住宅を連想してしまうような、他にはあまり例のない景観です。
16世紀と17世紀の2度の大火災によって、たった一棟を残して焼失し、その後再建されたものだそうです。
再建から350年以上経ているものの、こまめに修理や塗り直しが繰り返されて来たようで
フランス・アルザス地方の街のような、歴史を感じさせる滋味深い味わいとは全く別物の佇まいです。
それまでの私の好みからすれば、心惹かれることなど無かったと思われる景観です。
使ったことのない絵の具や膠を試したこともあってか
途中、いくつかのトラブルに見舞われて思うように進まなくなり
新たに描き直そうかと思い詰めたこともありましたが
何とか形にすることができた気がしています。
------------- Ichiro Futatsugi.■
ドイツ西部の小さな街フロイデンベルグ Freudenberg がモデルです。
大都市ケルンから東へ60キロほど。
グレーの屋根、白い壁と黒い木材のコロンバージュ様式のモノクロの家屋が立ち並びます。
コロンバージュの街並みはヨーロッパ北部に分布していますが
ここは、整然と区画された土地に同じようなサイズで建てられており
思わず建売住宅を連想してしまうような、他にはあまり例のない景観です。
16世紀と17世紀の2度の大火災によって、たった一棟を残して焼失し、その後再建されたものだそうです。
再建から350年以上経ているものの、こまめに修理や塗り直しが繰り返されて来たようで
フランス・アルザス地方の街のような、歴史を感じさせる滋味深い味わいとは全く別物の佇まいです。
それまでの私の好みからすれば、心惹かれることなど無かったと思われる景観です。
使ったことのない絵の具や膠を試したこともあってか
途中、いくつかのトラブルに見舞われて思うように進まなくなり
新たに描き直そうかと思い詰めたこともありましたが
何とか形にすることができた気がしています。
------------- Ichiro Futatsugi.■
1週間遅れですけど、何せ遠く離れているので、郵便が届くのと同じ速度でインスピレーションも届く、という事で、ははは。
こちらも随分前と印象が変わりました。 あの青の色で随分苦労されていたのを思い出しますが、
これはまたとても渋く、厳粛で、如何にもドイツの奥深い村の印象を感じます。
白黒フィルムの映画、写真の様でもあり、でもなかなかここまでの白と黒の格調は出ないので、
やはりこれは絵の世界ですね!
先回の宿の看板の絵も、ブルーから黒に近い色に変わっていましたが、やはり同じ様な心境からですか?
「月不見」というタイトルの意味を調べ、五月雨で月が見えない、という意味と知りましたが、
これは絵が出来あがり、改めてご覧になっての印象、だろうと思いましたが、そうですか?
次にはどの絵が変わって出て來るのか、と、楽しみに!
お返事が遅くなり、失礼しましたぁ!
今まで無かった種類の苦労をいくつか経験したことで
いろいろと収穫があったように思っています。
順調に行くよりも、やはり失敗する方が身に滲み
より今後の蓄えになることを改めて実感しています。
根っからのモノクロ志向なせいか
モノクロに近い色調の方が、気持ちがスッと入っていけるのは確かです。
当初の予定では、全体にもう少し青味を強くするつもりでした。
平面的な表現を目指していたのですが、どうも軽く見えて納得が行かず
手を入れ続けた結果、こういう画面に落ち着いた次第です。
タイトルは、今回は絵に合いそうなものが最後まで思い浮かばず
仕上がってから、書き溜めてある画題候補を見ながら決めたものです。
一番雰囲気が合いそうかな?という理由だけです。
現在は、長いこと中断していた40号の「ロマネスクの後陣」に手を入れています。