山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

苦難の末に

2012-05-31 12:34:01 | お仕事
先月から執りかかっていた町有林(アカマツ)の伐採事業が

先週末に終了し(出荷は未だ残っています)来月中旬に行われる

記念植樹に向けて、七ヶ宿町森林組合が地拵えを始めていました。
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この現場、我が社に多くの苦難をもたらしたので

終わって清々というところです。

通勤車両の故障、チェンソーの故障、重機の故障

山入りしてから、10日間近く連続してトラブルが発生し

挙句の果てに、外注している運材業者のトラックも

来る途中でローダークレーンの座席を落としてきたり

クレーンの伸縮が出来なくなったり散々でした。

この山は、火葬場の奥に位置していることもあり

「呪い?」と言う感じになってきたのですが

私は異教徒(ブードーとかイスラムではない)なので

何かを持っている前所長の炭焼き師匠にお出まし願いました。

お陰様で、それからの日々は順調に進み、何事も無く終了しました。

師匠いつまでもお元気で居て下さいね。










社宅兼事務所の屋根改修

2012-05-29 17:09:34 | お仕事
山里の事務所は事業規模が零細で、かつて所長職に当たる人は

本山の秋田のマタギの里・阿仁から来ていたことにより

所長用社宅と併設されています。

現在は、社員で利用する者が居ないため

町内で入居を希望される人に賃借しているのですが

今年のヘビーな積雪とちょっとした欠陥、更にうっかりにより

屋根の垂木が、折損してしまいました。

応急措置は施してあったものの、発生時から

既に3ヵ月以上経過してようやくの着手です。
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その間に、爆弾低気圧による屋根の破損が町内随所で発生し

大工さんは大忙しだったようです。

この建物は、古河林業各事務所の中で最古の物で

築40年、宮城県を襲った過去2回の大地震や毎年積もる雪に耐え

建っているのですが、高度経済成長期&木材高値時代に

建築された為か、か細い垂木と薄い屋根板が使われており

工事に当たっている山里のイケメン大工・ツネヒコ君も
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「七ヶ宿で、これは無いな」と驚いていました。

因みに、ハウスメーカーであるのに何故自社で施工しないのかというと

宮城県は住宅部の営業エリア外だからなのですが。

今回使用する木材は古河林業㈱七ヶ宿山林産で

太くて厚い物を使います。









便利

2012-05-25 18:18:49 | お仕事
宮城県の職員さんにカシミール3D上で展開できる

林小班界(林ごとの境界)のデーターを貰いました。

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「これは便利だ!」と言わずにはいられません。

私世代のワイルド系の輩は、社会に出てから

ワープロに取組み、オフコンと呼ばれたコンピューターに翻弄され

なんとかかんとかPCに立ち向かっているので

「シェイプファイルが」とか「ポリゴンは」と言われても

早々頭に入って来ません。

そんな訳で、GPSによる測定成果を、県の計画図に反映させるのに

紙出力→ライトボックスでトレースなんて、ローテクなことをしていたのですが

これからは、そうした手間が要らなくなりますので、ありがたいことです。

更に、午後からは導入予定のGIS(地理情報システム)の説明を聴き

「これが入れば、地図と森林簿の見合わせをしなくで済む!」

「しかも、超低価格!」 というありがたいご提案、希望に満ちた一日でした。



道の駅の移転

2012-05-24 18:30:26 | 山里の
我が町の「道の駅」は、この制度が発足して間もなく指定された施設で
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最近続々と出来てきている他所の施設に比べ

駐車場は狭く施設も貧弱です。(眺望は良いのですが)

そんな訳で、移転計画が持ち上がり、早ければ来年度にも移転!

と言う流れになりかかっていたのですが、町の議会から

「もう少し検討するべき」と待ったがかかり、

その検討をする機関に、商工会が指名され1回目の会議が持たれました。

はじめに町役場より、移転計画の概要が示され

会議出席者から、建物の規模・向き・駐車場との関係等様々な意見が出されましたが

私は林業屋なので、建築材料に関する事(町の木を使いましょう的)と

この施設、災害拠点的役割も担う為、自家発電設備があるので

「油を燃やさないで木を燃やしましょう、そして熱で入浴施設も作りましょう」

と意見を申し上げてまいりました。 さて、どーなるでしょう。












教育行政の些末な問題

2012-05-22 14:11:36 | 山里の
先月行われた中学校のPTA総会に嫁に代わって

初めて出席した際に、配られた資料を見ていると

教材費の中に"SPF材購入"があり、林業人として反応してしまいました。

総会の終盤で「他に何かありますか?」の問いに

思わず手をあげ、「山に囲まれていて、木材生産が行われている所でわざわざ外国の木を買わないでくれる?」と発言。

学校側の返答は

「不勉強ですいません、地元材は何処で買えば良いのでしょうか?」

とのこと、ちょっと不便な山里なので、住んで交わる教員は居りません。

町内事情をご存知無い様なので「それぐらい差し上げますよ」と

墓穴を掘りつつ口走ってしまいました。

後日、「あの件は~」と学校から電話があり

担当の技術教員と材の寸法・必要量等について話しましたが

その際に、「スギは使った事が無いので」と言う衝撃的な言葉を聞きました。

教員養成機関に問題があるようです。

因みに、材は我が社在庫の厚板(乾燥済み)を製材所で挽き割り(無料で)

地元の大工さんにプレーナーを通して上で納品(無料で)してもらいました。

ご協力ありがとうございました。