山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

冬の楽しみについて考える

2011-02-24 09:02:19 | インポート
今週は暖かい日がつづいています。
雪解けが進み、山里も春の気配が漂ってきました。
年末からの豪雪で、冬に関する愚痴めいた話が多かったのですが
寒い時期ならではの楽しみもあります。それがこれ↓
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以前、事務所の暖房が薪ストーブであることを紹介しましたが、私の家の暖房も薪ストーブです。
オーブン付きで天板が広く、直火も使えるので、料理好きの妻があれやこれやと
冬季限定メニューに腕を振るってくれます。
小杉のゴンタさんとちがい私は食べる人専門なので、昨晩もキムチピザを美味しく頂きました。

このストーブは、オーストラリアのメーカーPECAN社のベーカーズオーブンという製品で、鋼板製なので気遣い無用、
対流式なので設置場所の自由度が高く、価格も煙突代より安い優れものです。
本当は国産の軽井沢ストーブが欲しかったのですが、予算と設置場所の関係から断念し、妻の強い希望でこれにしました。

暖房器具としても結構な能力で、高気密でも高断熱でもない我が家の暖房をこれ一台で担っています。
私の家は、残念ながら古河林業の家では無く、古河林業の山の木を使い、取引先である地元の製材&工務店が建てた、
3.5角・グラスウール50㎜の全くこだわりの無い家なのですが
(我が家の建築当時に"古河林業の家"は東北で展開していなかったので。)
火が絶える事の無い薪ストーブのおかげで、外が-10°の朝でもスカッと布団から抜け出せます。

炉室が小さめなので、大きな薪が入らないのが少々残念ではありますが、お気に入りのストーブです。



鋼の年金受給者

2011-02-23 08:16:12 | インポート
先日の「昔の鋼」の記事に本人達の姿を掲載しなかったので
改めてご紹介致します。
この日は翌々日に控えた、炭出し・釜込めに備えて、木づくりをしていました。
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「冬の木はよく割れる」と言いますが、力むことなく小気味よく、木割をしていました。
こちらが前所長のN山さん
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若い頃に熊を鉄砲で"殴り倒した"ことがあるそうです。



こちらが我が所の元エース樵T中さん
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15年前に年間4回の開腹手術を受け、蘇った不死身の男です。




今日は良い天気

2011-02-19 15:37:05 | ブログ
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我が家の庭から見える蔵王連邦・不忘山です。
蔵王は南北に連なる山なので、南端の七ヶ宿から見ると
コニーデ型の単独峰に見えます。


この晴天の下、七ヶ宿町社会福祉協議会のイベント
スノーボランティア体験会が私の住んでいる地区で
開催されたので、そのお手伝いに行ってきました。


参加者の多くは県内の方でしたが、遠くは神奈川県から来られた方
いました。
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私の住んでいる地区は、町内でも雪の少ない所なので
昨年末の打ち合わせの際には「何処の雪片づけるの?」と
開催を危ぶむ意見もあったのですが、今年は例外だったようでした。


参加者の皆さんお疲れ様でした。




昔の鋼(ハガネ)

2011-02-17 15:41:27 | ブログ
どの辺りまで使う言葉なのか解りませんが、
七ヶ宿では、達者なお年寄りを「昔の鋼(ハガネ)」と形容します。


恐らく、下の世代を一時的に出回った、粗悪な鋼で造られた刃物に例えた皮肉や
自分達が若い頃にした苦労(私達が想像も付かない)で鍛えられた事を表しているのではと思います。


林業所のホームページをご覧になったことのある方々はおわかりになるかと思いますが、
私の前に所長を務められていたN山さんらOB達(以下じ様)は、正に「昔の鋼だなぁ」と言う感じです。


年齢79歳、定年退職後に始めた炭焼職人として、またあるときは
当社の臨時作業員として、未だに山の中で働き続けています。

じ様らの焼く炭は黒炭で、品質が良いので各方面から引き合いがあり
毎日の様に働いているにも関わらず、注文に応じるのに精一杯の状態で
リーマンショックやデフレ等、世の中の不景気に全く影響を受けず
冬期間もせっせと働いています。

特にこの冬は、雪が多いことに加え、手山の条件があまり良くない所で
崖の上の緩斜面で立木を伐採し、橇(ソリ)で運び、崖からまくり落とし、原木の生産をしています。
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こんな崖を上り下りした今日の午前中の成果は↓
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春が来たら、じ様らに手伝って貰う予定の私としては、「無理しないでね」と思うところです。














里雪

2011-02-15 09:24:36 | ブログ
毎度雪ネタばかりで何々ですが、まだ冬なのでご勘弁を

関東地方に積雪があったようで、昨晩から今朝のニュースは
雪>小沢>八百長>B’zという感じでしたね。

温暖化や都市化の進展で、首都圏の降雪・積雪の機会が減っているようで
私が住んでいた昭和の頃に比べると、人々の雪に対する備えが低下していますね。

数㎝の積雪で大騒ぎしている報道機関に、前所長のN山さんの一言を送ります。
「夏ならたまげろ」

七ヶ宿では平野部に雪を降らせる里雪を、「東雪」と言って嫌います。
普段の冬型の気圧配置がもたらす雪は、西方の日本海側から偏西風に運ばれ
飯豊・朝日連峰を越え、七ヶ宿に降るので、水分の少ないサラサラの軽い雪です。
この雪は、電線や樹木に付着することがないので、雪片づけの面倒さはあるものの、直結する実害が少ない雪です。

それに対して、湿った里雪はやっかいもので、樹木の折損・倒伏を招くので
林業従事者としては雪雲の動向が気になるところです。

一般的に、多雪地帯は里雪型の雪は降らないのですが、七ヶ宿は東方に開けた山間地ですので、冬の終盤に里雪も降ります。
里雪が降りやんだ後に、カケスの飛んでいる姿を見掛けると、「もうすぐ春だな」と感じます。