山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

黒い森の白いやつ

2012-06-30 13:31:03 | お仕事
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これを見ると、小学校入学の頃に読まされた
大きい1年生と 小さな2年生 (創作どうわ傑作選( 1))大きい1年生と 小さな2年生 (創作どうわ傑作選( 1))
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を思い出します。蛍と共に咲くんですね。

で、表題の件ですが黒い森と言えば、ドイツのシュヴァルツヴァルトですが

その森の主たる構成樹種がドイツトウヒです。

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我が社の山に、造林地境を表示する為に植えられています。

この樹は、ヨーロッパの主要造林樹種の一つで

我が国にも大量の製材製品が輸入され

ホワイトウッドと称して、ハウスメーカーや工務店で

使われており、スギやヒノキの敵とも言える存在です。


我が社に、この樹が持ち込まれた経緯については

当時を知る人が居ないので推測ですが

日本の林学はドイツ林学をお手本としていたこと
(今現在のドイツ林業礼賛とは違います。)

母体である古河鉱業がドイツとの繋がりが深かったこと

等によるものに加え、寒冷に耐え適応性が高く

成長も早いことなどによるものと思っています。

今日は、ちょっと前に伐倒した80年生のドイツトウヒを

ホワイトウッドにすべく、山に行ってきました。
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スギなら、もう少し葉枯らしをしてから

造集材としたいところですが、この白い木は

たちまち腐り始めるので、物になるうちに

回収しなければならず、おまけに

丸太で販売する先が中々無いので
(腐れるので塔婆とかの需要しか無い)

自家用(梱包等)に製材し、屋内で保管しなければなりません。

立ってる姿は立派なのですが

浅根性で風害に弱く、春先の突風でも

折損・倒伏が見られました。

この、ありがたくない木によってスギ、ヒノキが

土俵際に追いやられている現状に

立っている木に対して、やや厳しい視線を向けつつ
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生態系の一助(リス等の餌)になっていることで

「存在を認めてやろう」と思うのでした。












答えは〇〇年後

2012-06-29 16:23:31 | お仕事
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なんだこの雑木山! と言う感じですが、造林地です。

19年前に植栽した、ケヤキ・カラマツの混交林で

初の間伐(除間伐)を実施しました。

ヒノキがうまく育たない奥羽山脈で

スギより価値の高い木の生産を、という理由で

ケヤキを期待樹種とし、カラマツはケヤキを

通直に育てるためのトレーナーとして植栽しています。

ところが、中々いい感じには育ってくれません。

広葉樹の性質上、山地においては、公園や街路の様な平地と異なり

殆どの樹が斜立してしまうのです。
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おまけに、カラマツとの混交なので

林床の光環境が良好で、蔓茎類をはじめとする

邪魔者たちの侵入が絶えません。

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中には、思惑に近い成長をしているのも有りますが
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↓の様になるかどうか(80年超)
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3世代後のお楽しみです。














クマも大好き

2012-06-26 17:44:23 | 山里の
さくらんぼの最盛期ですね。

フルーツ王国山形県に隣接する七ヶ宿を

サクランボ狩りツアーのバスが通過して行きます。

私も随分前に、サクランボ狩りに行ってみましたが

ハウスの暑さに閉口したことを思い出します。

行くなら曇りの日がお勧めですよ。


先日の制札確認調査の際に

現在道路工事中で立ち入れない長老湖 (←click!)に行ったのですが

やけに鳥達が賑やかなので「ナンダ?」

と思いながら、近付くと

湖畔近くに植栽されたオオヤマザクラに
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小ぶりのサクランボが沢山実っておりました。

ここは、テレビ朝日系の東日本放送(←click!)が

KHBグリーンキャンペーンと銘打って

20年前から七ヶ宿で行っている植樹活動によって

萱刈り場だった所に植林がなされた林です。

植樹活動ここまでやれば大したものですね。
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10年ほど前に、この脇を通りかかった折に

まだ小さいサクラの木に飛びついて

サクランボを食べるクマを見かけました。

回りで下刈作業をおこなっているにも拘らず

一心不乱に食べ続けていたので

私も暫く眺めていました(車窓から)

震災以降今年も、工事関係者以外の人の立ち寄りは

ごく僅かでしょうから、クマは落ち着いて

サクランボをいただくことでしょう。









今日も良い天気

2012-06-24 17:45:06 | 山里の
今日も、朝から低湿度の爽やかな天気でした。

昨日から着手した、鳥獣保護区等制札確認調査に出掛けました。

行く先は、不忘・船引林道上の山形県境標高1150mにある看板です。

ところが、我が町から向かう路線は、現在通行止めで

一度、山形県上山市に降りてからのルートで向かいます。
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主要道路から外れて暫く行くと古屋敷
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ドキュメンタリー映画の舞台になり、観光地にもなったとのことで

現在も、数戸に居住者が居るようですが、廃屋や
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かつて、耕地や人家であったであろう所に植林がされており
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(奥に石堤が見える)

寂れて行く山村という感じです。

スギの植林地の中の林道を延々と走り

標高が上がってくると、明るいカラマツ林に変わっていきます。
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標高差が大きく、地形も険しいところなので

勾配がきつくカーブの多い林道ですが、

この上に、上山にとって重要だった施設があるので

良好な状態に管理されています。

稜線近くのアオモリトドマツ林(人工林?)が見えてくると

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目的の制札設置箇所の県境です。無事に立っていました。

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ここまで来てただ帰るのも勿体ないので

上山にとって重要な横川堰方面に向かいます。

ブナ林に囲まれた良い感じの林道で

蔵王の稜線が眺められるのです。
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あいにく、雲が被ってしまいました。
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帰る際に我が社の二ツ森を常とは反対側から眺めつつ
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町内とは言えない移動距離でした。次はもっと遠いけど















梅雨の晴れ間のお休みは

2012-06-23 17:39:06 | 山里の
遅れに遅れている薪割りに勤しまなければならないのですが

宮城県より、自然保護員業務のお達しが来ており

どちらを優先すべきか逡巡した結果

両方やることにし(終日薪割りは飽きるので)

午前中に玉切りをしといて、割り方は、手下1号にさせ

私は午後に鳥獣保護区等制札設置状況調査に出掛けました。
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↑のような看板がちゃんと立っているかを調べるのですが

私の担当エリアは七ヶ宿町東部で↓の黄色枠内で
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国定公園の蔵王山麓が含まれており

北端の刈田岳山頂までは、歩けば片道12km、7時間

車で行くと、白石市、蔵王町経由で片道46km、1時間

と、やたら遠いのです。

明日も手下1号に薪割りをさせ、ドライブしてきます。