山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

地理の問題です。

2012-02-29 09:46:31 | インポート
Q.下図楕円内地域の特徴について答えなさい。
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A.宮城・山形・福島にまたがるこの楕円内(矢印七ヶ宿)は
 林業事業不利地である

解説
この地域は、大変住みやすい所なのですが
林業事業の最大の目的である木材(丸太)生産販売を行う上で
地域内に規模の大きな製材等木材加工事業者が居ないことにより
この辺りで生産された丸太は遠隔地への輸送を余儀なくされます。

当然のことながら、大規模木材加工事業者の
木材(丸太)引き受け価格は、先方着価格で設定されますので
輸送距離が遠くなれば丸太生産者の手取りは減殺されます。
丸太は重量&体積の割には価格が↓なので
運賃が占める割合が大きいのです。

また、それに伴って輸送事業者も僅かなので
色々な交渉事が難しくなります。

今日も我が社の丸太は県北部から取りに来て
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100km以上の道程を経て、県北部の製材所に納品されます。


宮城・山形は北部に、福島は南部に規模の大きな木材加工事業者が所在しています。
古くから産地形成が成されなかったことによるものですが
殿様達の政策が、今に至るまで影響しているのが林業らしいですね。






久しぶりに

2012-02-28 16:48:16 | インポート
北海道に
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ではなく、市町境の不忘開拓を眺めてきました。(部品調達の帰り道)
ここを通るルートは、冬期間を除くと七ヶ宿から仙台に向かう際や
大黒柱ツアーで南蔵王を周遊する場合に利用するのですが
冬期間は、猛烈な地吹雪が発生することが多く
山岳道路なのでカーブやアップダウンが多々ある上に
路面がツルツルで、あまり通る気が起こらないので
2ヶ月ぶりぐらいの通行です。

今日は朝の冷え込みが激しかったものの、日中は晴れの良い天気で
今週末にツアーがあるので、様子見を兼ねて通ってきたのですが
とてもいい景色です。
(景色の良さと風の強さは比例する、とのことです。)

撮影者の腕が悪いのでその良さは1/100ぐらいしか伝わりませんが。
火山の裾に広がる開拓地の風景は、人間の関わりによって造られた風景の中で
2番目ぐらいに好きです。…勿論、1番は多段林化した多様性豊かな人工林です。



西風が吹くとガソリンスタンドが儲かる

2012-02-26 15:41:14 | インポート
風=桶屋が儲かる程のひねった話ではありませんが
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山里も日毎に春めいて、昨日は里雪が降り積もりました。

先週は晴れor雨の天気が続き、今まで積もった雪が

目に見えて減りつつあり、未舗装の我が事務所敷地は

池?と言うくらいの水溜まりが出来ています。

こうなると、除雪屋さんの稼働が大幅に減るので

町内のガソリンスタンド関係者は淋しそうな表情になります。

中には、「一年中冬だったら、ビルが建つんだけど」

と言う方もいたりします。

今晩から、明日にかけて冬型になるので=西風が吹く=雪が降る

=除雪車出動でGSはもう一稼ぎ出来そうです。


モッタイナイ林

2012-02-23 17:45:45 | インポート
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明度調整と積もった雪の影響で明るく見えますが、生で見ると真っ暗な林です。
立木の密度が高すぎて、遠くまで見通すことが出来ません。

この林は我が社の所有ではなく、現在通っている現場の途中にあるので
通る度に視界に入り、「モッタイナイ」と思うのです。

宮城県内では雪の多い七ヶ宿ですが、この林の界隈は雪が少ない所なので
雪淘汰が起こらず、植えた木がみんな残っているという感じです。
太めの樹を見ると、木材生産の理想形"通直完満"で高い枝下高なのですが
樹皮に苔が出始めているので、肥大成長が停滞しているようです。
もう5年ぐらい前に間伐しておくと、更に充実した林になったのですが
こうなったのには、ちょっと事情があるようで
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脇を走る道路が拡張予定だったのです。
用地買収となると立木補償が貰えるので
1本でも多く立てておきたかったでしょうね。

でも残念ながら、諸般の事情で道路の拡張は保留となっております。
またこの保留が曲者で、中止ならあきらめて伐るのでしょうけど
事業実施となったら…
「蛇の生殺し」状態ですね。







林業技術シリーズ

2012-02-20 18:09:28 | お仕事
こんな機械がうちの現場にあったらな~と思ったりしますが

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YouTube: Forwarder 1210E John Deere


非常に高価で、減価償却していくためには年間3000時間稼働させないと

採算がとれないそうなので、予め辞退させていただきます。
(照明を点けて林業する気にはなれないので)

少人数・低予算の我が所の木材搬出設備は

他用途(建設関係)機械の転用で賄っています。
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土木用不整地運搬車の荷台を木材用に改造し

林内作業道で1000m以内の搬出に使用していますが

履帯(クローラorキャタピラ)がゴム製で、極端な泥濘地や積雪状態では

進まない・止まらない状態になってしまいます。

そこで、山形県は真室川の林業界の風雲児(有)フォレストさんに

教わった、お手軽チェーン(比較的)↓を使用しています。
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開設間もない作業道(やや不安)や悪路(かなり不安)では

役立つのですが、油圧駆動ゆえに

荷物を積んでの急な下りでは、速度の調節が難しく

空荷なのに遅く、燃料は大食いという機械です。


大深沢社有林は、穏やかな東北の山の中では

急で狭隘な山なので、南端に設置した山元土場(丸太の集積所)

までしか、大型トラックが入れません。

それに加え、南北に長く展開する山林なので

伐採地から山元土場まで最大10㎞ぐらいの距離があり

上記の運搬車だけでは間に合いません。

そこで昭和の名車TWD45の出番です。
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登攀力はブルドーザ並み

積載時の下りは、低速の1速に入れエンジンブレーキだけで

フットブレーキ要らずでラクラク走行(殆ど歩き)。

空荷の時は軽快に、平坦地では前駆を解除で

なりの割には低燃費です。

便利な機械ですが、製造終了から四半世紀で

部品調達が大いに心配です。

メーカーの皆さん、こんな感じの機械を激安で

作ってくれませんか?