映画感想(ネタバレもあったり)

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ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画) Life, Animated

2018-10-10 | 映画感想
最高だっっ!
「自閉症という病気の理解が進むといいですね」っていう映画じゃないね。
観客はオーウェンと自分の苦悩が同じであることに気づくでしょう。

他者とのかかわり、思春期、初恋、失恋、初めての一人暮らし、社会への一歩…
オーウェンに立ちはだかる壁は全く僕らと同じ。


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自閉症で言葉を無くしたオーウェンは、言葉を話せなくなり聞こえる言葉も意味を無くして音としてしか聞こえない状態に。

しかしディズニー映画のセリフだけは話せるようになった。
父親と『アラジン』の台詞のやり取りするシーンは感動。


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リアルな人間同士の会話は予測が難しいから苦手。
でも、決まっているシナリオなら自信を持って話せる。

そのまま声優できるんじゃねえかっていうくらいにオーウェンは上手に台詞を話す。

あと、絵も上手い。僕よりもかなり。。やめてほしい、そういうこと。。
ディズニーの脇役たちをせっせと描いてるんだけどチョー上手い。。やめて。。


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僕も脇役なんだ、と。
だから脇役が好きなんだ、と。


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家族も素晴らしくて、お兄さんが特に。
オーウェンに男兄弟がいることがどれほど彼にとって支えになっているか。

ディズニー映画の王子みたいなルックスのお兄さんが、完全なオーウェンのバディとして活躍。

「20年後のことを考えると怖い。両親とオーウェンを僕一人で支えないと…」とブルーになるお兄さん。お兄さんにも苦悩が。。



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オーウェンは恋愛をし、失恋をし、「なんでこんなに辛いのに人生を生きなきゃいけないんだ!」と吐露する。

これも誰もが同じ。
みんな若い頃に失恋すれば、突然いきなり人生が崖の底に落ちる。

「あなたの歳(23歳)で一生添い遂げる相手を見つけることは少ないわ。みんな別の相手を探すの」とケースワーカーさんに言われて、ほとんど発狂するオーウェン。
これも同じでしょ。「別の相手!!!?」ってなるわな。。


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この素晴らしい映画が世界中で観られるのはいいんだけど、これでオーウェンの生活に悪影響が出ませんように!

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