映画感想(ネタバレもあったり)

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『ドロステのはてで僕らは』の元になった短編映画『ハウリング』 ネタバレあり

2021-10-07 | 映画イラスト
ハウリング(2013年製作の映画)製作国:日本上映時間:11分
監督上田誠
脚本 上田誠
出演者 土佐和成 中川晴樹



『ドロステのはてで僕らは』が好き過ぎるのです、僕は。



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四コマ映画『ハウリング』


ウィーッス!




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『ドロステのはてで僕らは』の元になったのが、この11分の長回し短編映画『ハウリング』。

テレビに映る〝2分後の俺〟。

2台のテレビを向き合わせることで〝4分後の俺〟〝6分後の俺〟が出てきて、男は未来を手に入れたと思ったが…。
という話。

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ある「男」がテレビに映った自分に話しかけられるシーンから始まって、そこから11分の長回し。

主演の土佐和成さんがかなり若々しくて、ちょっと薄っぺらいキャラクターで演じているので、軽〜く観れてしまうんだけど、
やっていることは0.5秒単位の精密な一人芝居。
 
事前に撮影されたテレビの中の自分とのやりとりは『ドロステ』よりも不安がなく自然に観れました。
人数が少ない分、観る方も理解がすんなりできるんでしょうね。


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『ハウリング』でもドロステ効果が出てくるんだけど、ドロステという言葉は使われてません。

ハウリング。
マイクに入った音がスピーカーから出て、その音がまたマイクに入って、「キーン」と音が鳴るというハウリング。

未来テレビに映った2分後の未来が過去テレビに映ってそれが2分後を移す未来テレビに映ることで4分後が映ってそれが過去テレビに映ることで……
とぐるぐる回って増幅する感じを「ハウリング」と称したのでしょう。

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『ドロステのはてで僕らは』はこれ以上ないくらいに複雑に大胆に展開していったと言うのに
脚本の上田氏は「続編も可能。まだやれることがある」と。

あれ以上一体に何をやれるんだと、想像してみても一個も思い付かないくらいに複雑なんだけど。。

この『ハウリング』を元に発想を広げて『ドロステ…』を作ったんだから、『ドロステ2』もそりゃできるんだろうなと思いました。

この『ハウリング』が単体で存在してただけの時に、『ドロステ…』の複雑怪奇な展開を発想して成立させたのかと思うとホントにヤバイですよ、上田誠。

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『ドロステ…』を』を観た人にとっては既視感のあるシーンは多いです。
これは元々あったのか!と驚きながら観れます。

やっぱウィーッスなんだ!とか。

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ラストはね、ちょっとね。。

まぁそれやりますかぁそれが一番まとまりますよね〜、というタイプのラスト。
時間モノではよくあるラスト。

そう考えるとホントに『ドロステ…』はラストも最高なのさ。

泣ける。
未来がパーッと広がるラスト。
2分にずっと縛られていた俳優たちがその時間の縛りから解き放たれたエチュード的なラストシーン。

あの空気感、泣ける。。

結局『ドロステ…』の話しちゃう。

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ラストネタバレは以下に。





ラストはタイムパトロールが出てきて男は捕まります。
未来を知って不当な利益を得ようとした罪。
上映時間11分ですからね。
結構すぐにタイムパトロールに捕まっちゃいます。

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タイムパトロールが出てきて男は外に逃げるんですけど、タイムパトロールは未来がわかるので追いかけずに家の中に隠れる。
「男が家に戻ってきたところをタイムパトロールが捕まえる」様子がテレビに映されて終わり。

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そもそも男がこの映画でいう〝ハウリング〟を起こす少し前にタイムパトロールが現れて、邪魔をするなりして、ハウリングを起こさせなければよかったんですけどね。
タイムパトロールはそんなに正確な過去には戻れないのかな。
それともこのタイムパトロールは時間犯罪者を逮捕してポイントを稼ぎたかったのかな。

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結局、時間の上位者(未来人)に敵わないのかぁと思ってちょっと残念な終わり方。
未来人に見張られて未来人に縛られているのか俺たちはと、閉じた印象で終わってしまう。
それと比べると『ドロステ…』のラストはホントに。。
おっと、結局『ドロステ…』の話をしてしまう。






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