絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

「ゆとり教育」は今はじまったわけではない

2006年02月25日 14時55分21秒 | 子ども
うちの子どもは小学4年生なので、ちょうど1年生入学の年から
新指導要領が導入されました。
この4年の間、喧々諤々さまざまなことがマスコミを通じて報道されてきました。
そのキーワードは「ゆとり」でした。
しかし「ゆとり教育」自体は、もう30年近く前からその取り組みが始まっていました。
それは何かというと、当時問題が表面化してきた「登校拒否」や「校内暴力」の原因が、
学力重視の<偏差値教育>であるという批判であります。
詰め込み教育はいけない、というマスコミの大合唱を受けて、
(アメリカとの戦争に負けた資源のないこの国の建て直しを
「人材育成」に求めていった感のある)
それまでの教育政策が、その見直しを迫られていったわけです。

新聞というのも、時間の制約の中で書くわけですから
フリーのジャーナリストのように、とことん取材し研究して
というわけにはいかないでしょう。
しかし、今目の前にある現象だけを捉えて、
薄っぺらな教育観をかざした記事を読むたびに、
またそれに乗せられて、ころころと変わっていく教育の犠牲者は子どもだ!
と思わざるを得ません。

具体的な話をしますと、「自ら考える」「自分で調べ、実行する」
などなど、りっぱな文言が並ぶ今の学校教育でありますが
何かを調べたり考えたりするその基本が、学校の勉強だけでは全然身につかない
という現実があります。(これはうちの地域だけではないようですよ)
基礎学力のないままに、それ以上のレベルである「思考する」学習なぞ
もし、できる授業があったら、是非みせてもらいたいです。

教科書内容が削られたら、なぜか、宿題もすくなくなり
「読み書きそろばん」とかつて言いましたが、計算も定着するほどドリルもやらせず
(ドリルも問題がものすごく少ない)
このままほうっておけば、学習定着率の非常に低いまま中学に行くのが
目に見えています。
これって、どういうことなんでしょうか?

さまざまなことが「自己責任」といわれ、
<ボヤボヤしてた自分が悪い>式な今の日本ですが、
この教育の現状も「公教育がやばいと思うなら私学へ行け」
ということなのでしょうか?
各自、家庭で勉強は定着して下さいってことなのでしょうか?
(義務教育なのに、自己責任?)

ほんとに、言い出したらきりがないくらいですが
教職員を他の公務員と同等にする「週休2日制」が
さらに学校教育をだめにしたことは、紛れもないことです。
そして、この制度によって失われた授業時間数を
「土曜復活」ではなく「夏季休業日の短縮」等で補おうとする
全く持って「付け焼刃」な所業が、一部で既に始まっているのでした。
(末期的症状

現実

2006年02月25日 08時23分03秒 | 子ども
荒川静香の荘厳な美しさに、国民が酔いしれた昨日
わたくしめの現実は、子どもの授業参観日でした。

午前中の4限のどれを観てもらってもいいですよ、というスタイルでした。
で、1,2限とそのあとの20分休みの様子をみて、帰りました。

いろいろ教育問題を取り扱った番組が放映されますが、
やはり、インパクトのあることばかりセンセーショナルに取り上げられて
本当のところはどうなんだ!?と(地域によっても違うので)
みな、思っているのではないかと思います。
あるいは、当事者である、義務教育を受けている子どもの保護者たちは
案外、特別何も考えていないのかもしれないな、などとも思います。
親たちは、漠然と子どもも自分の歩いてきた道と同じ道でいいのだと
あるいは、漠然と自分の子どもの頃と同じような勉強をしていると
考えているのかもしれない。現実は全く!違う・・・

昨日のうちの小学校の現実をみると、
本当に「公教育は崩壊寸前」と言われても仕方ない様相を呈していました。
子どもの学年は大丈夫のようでしたが(いつもは騒がしいと子どもは言っています)
隣接する教室の3年生は、ひどいことになっていました。
担任ひとりでは抑えきれず、補助の講師?が2人も付いていた!
そして、2限目には授業中何人かが逃げ出し、それを補助の人が追いかけていた。
(それは、日常茶飯事のようだった、だから補助をつけたと先生がおっしゃっていた)

おととしは、チャイムが鳴っても教室になかなか戻ってこない子どもが多く
(PTAでよく学校に行っていた為、目に付いた)
「いつもこんなのですか?こんなんでいいんですか?」と教頭に言ったら
「そういうのが何クラスかある」という返事で、<きまりを守らせる>ということを
徹底させる姿勢そのものの欠如を目の当たりにした。
だから、いまのこの状況が唐突なことではないのだった。

これは、生活面のことですが、勉強面に至ってはさらに「すごい」ことになって
いるのですが、それは次書くことにします。
ちなみに、うちの地域は県下では有数な文教地区と呼ばれている地域です・・・
(もう、違うんじゃないの???)