冬の寒さも峠を越した、2月の上旬。
日差しが少し暖かい平日の午前中に、のんびり鎌倉さんぽ。
今回はJR横須賀線、北鎌倉駅周辺を歩きます。
北鎌倉の有名どころの寺院といえば円覚寺に建長寺、浄智寺。
どちらも鎌倉五山に指定された格式高いお寺です。
平日といえども、横須賀線の車内は観光客がたくさん。
その半分くらいは北鎌倉の駅で降りました。
東京方面からは鎌倉中心部より北鎌倉駅の方が手前にあるため、多くの人は午前に北鎌倉から見てから鎌倉へ向かいます。
そのため、朝から北鎌倉は賑わっています。
有名な寺院は以前に参拝したことがあるので、今回は街歩きを楽しみます。
人混みを避けるようにして、駅舎から外へ出ると、目の前の鎌倉街道を横断して路地へ入ってみます。
鎌倉には、路地がたくさんあります。
路地の魅力は、表通りからその全貌が把握できないところです。
北鎌倉駅前から続くこの路地も、車は通ることのできない小さな路で、家々の間を縫いながら進みます。
生け垣や竹垣が美しいです。
観光地は周囲にありませんから、通るのは地元の人ばかり。
その落ち着いた雰囲気も素敵です。
路地の一角に、ぽつんと佇む石塔があります。
お供えもあるので、現在も信仰されているのでしょう。
のちに調べると、この石塔は「お茶ぶきさん」あるいは「お茶ぶき様」といい風に霊験のある神様だそうです。
そんな神様は今まで聞いたことがないので、地域に根ざす民間信仰なのでしょう。
風邪を引くとこの神様に祈って、治るとお茶をお供えするのが習わしだそうです。
辻に祀られる地蔵菩薩や道祖神とは異なり、路地に祀られるというのが珍しいですね。
路地を抜けると、神社へと続くゆるやかな上り坂に突きあたります。
住宅地ですが、非常に緑が多いです。
神社に突き当たると、道路は迂回するように神社の右手を回って奥へと続いていますが、ここでUターン。
神社は山仲稲荷神社というらしく、比較的詳細な鎌倉情報誌にも載っていない地元密着のお稲荷さんです。
こんもりとした塚のようになっていて、中央には朱色の社が建っています。
注連縄や手作りの灯籠などは真新しく、現在でも大切に守られていることが伺えます。
立地といい、雰囲気といい、小ぢんまりとしていますが非常に落ち着く場所です。
神社の前で振り返ると、鎌倉街道まで道が続いています。
宅地の木々が生い茂っているため、道に木陰を提供しています。
鎌倉街道南下して先程の駅前を通り過ぎて、円覚寺の境内に入ります。
円覚寺の入り口は鎌倉街道に面しており、参道両側には白鷺池が残されています。
池の表面に少しだけ氷が張っていました。
境内の途中に横須賀線の線路が横断しています。
明治時代に国鉄が横須賀軍港への輸送手段として横須賀線を敷設する際に境内は分断され、白鷺池も以前より小さくなってしまったそうです。
今となっては参道を列車が横断するこの風景も鎌倉のひとつの風景として私は嫌いではないですが。
踏切を渡って階段を上がれば、円覚寺の拝観受付。
今回は左に折れて、線路沿いの道を歩きます。
反対に右へ折れて線路沿いを進むと、明月院や建長寺へ至ります。
つづく