東日本大震災が起きて、ちょうど1年が経ちました。
地震と津波で亡くなられた方は1万5,854人、いまだ行方不明の方を含めると1万9,009人が犠牲になりました。
きょうは、各地で慰霊の行事が行われたようですが、港区芝にある浄土宗のお寺「日新窟」でも、午後2時から、「東日本大震災一周忌物故者之精霊追悼式」が執り行われました。
主催は、在日ベトナム人協会です。
会場には、在日ベトナム人、日新窟の方ほか、80人ぐらいが集まりました。
ここ日新窟には、東北3県に在住していて、東日本大震災で被災したベトナム人が、一時避難しました。このことに対し、昨年11月に来日したグエン・タン・ズン首相から、日新窟の吉水大和尚に対して感謝の言葉があったそうです。
また、吉水大和尚は、昨年3月27日にホーチミン市普光寺で行われた東日本大震災で犠牲になられた方への追悼と被災者支援の集いに参加されています。
式は2時から始まりました。
主催の在日ベトナム人協会副会長からの挨拶のあと、在日ベトナム社会主義共和国公使など、来賓が紹介され、吉水大和尚からの挨拶、来賓の挨拶がありました。吉水大和尚の子供時代からの友人だという元港区議は、和尚が40年ものあいだベトナムと仏教を通じてかかわってきたこと、今回の大震災でベトナム人からいただいた暖かい励ましへの感謝を口にされていました。
2時40分献香につづき、2時45分から全員で1分間の黙祷を捧げました。
そのあと、3時半まで、日本語、ベトナム語での勤行があり、全員焼香をしました。
全員で般若心経などを唱和し、日本のお寺では見かけない光景でした。
南三陸町復興協会会長から届いた電報が紹介されました。
在日ベトナム人の信者さんがつくられた詩が朗読されました。翻訳は機械翻訳そのままで意味がわかりにくかったですが、津波で命を奪われた無念、鎮魂が伝わりました。
最後は、釈心智尼から、ベトナム語、日本語による閉会挨拶でした。
「無常」と「因果応報」ということをおっしゃっていました。突然の津波に呑みこまれて命をなくした方々の魂は、家族、友人、思い出があるところへ戻りたいと思っていて、成仏できない。自分は、三陸の海岸へ7回、8回と行って、追悼を捧げてきた。きょうここで追悼をしたように、皆さんが祈りを捧げることによって霊をなぐさめ、被災した方々を応援していくことが大事だ、と訴えたのが、心に残りました。