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ブログよりも遠い場所

サブカルとサッカーの話題っぽい

【ラノベ】ラブライブ!School idol diary ~星空凛~

2013-12-29 | ライトノベル
ラブライブ! School idol diary ~星空凛~ ラブライブ! School idol diary ~星空凛~
価格:¥ 819(税込)
発売日:2013-11-30

 読了。

 凛ちゃんさん……あなた可愛すぎるでしょう

 ここだけの話、アニメの『ラブライブ!』を見たあとで、様々な媒体を通して同作品を掘り下げていくと、それまで抱いていた印象がガラッと変わるキャラクターが多いです。凛もその一人。
 もっとも、これは真姫や花陽のときも書いたことですが、アニメは二年生の三人が中心だったので、その他のキャラクターの掘り下げがほぼゼロだったという理由が大きいんですけどね。
 ただ、『School idol diary』はそれを差し引いても良い意味で新鮮さを感じながら読めて楽しいというのは間違いないでしょう。今回もすげー面白かったです。
 んー、なんだろうな。おそらくこれは、作者の公野さんがめちゃくちゃバランス感覚に優れているからだと思うんですけど、凛の過去エピソードが実によく考えられていて感心してしまったのですよ。具体的に言うと、小猫のエピソードにせよ、陸上のエピソードにせよ、楽しい思い出というだけで終わらせていないのがすごく上手いなと
 身も蓋もない分析をすると、あれって考えなしの作家さんであれば、小猫は5匹とも助かったことにするでしょうし、陸上もなんだかんだで優勝して終わったっていうふうにしてしまうと思うんです。
 でも、それって「凛の過去」という視点でそのエピソードを見たときに全然面白くないんですよね。単なる綺麗な思い出話にしかなってないというか、アニメで描かれた脳天気っぽいキャラクターとしての裏付けにはなりますけど、それ以上の意味は持ちません。
 ですけど、本編にあったように過去エピソードに〝苦み〟を加えることで、現在の凛というキャラクターにも深みがもたらされています。そのおかげで、一冊読み終えたときには、僕もなんとなく「ああ、凛ってこういうキャラなんだ」と掴めたような気がしました。
 他はまあ、相変わらず花陽は天使だなあとか、ことり腹黒いなあとか、そんな感じで。
 や、「きりっと凛々しい海未は可愛いけど、一番は泣き顔で困ってる海未ちゃん」みたいなことを素で考えているあたりでわかりきっていたことですが、ことりマジ怖い。隠れドSっぷりが凛に対しても存分に発揮されていて、なんかゾクゾクしました
 とはいえ、凛も花陽顔負けの天使なのでまったく深刻にならないのが面白かったんですけどね。女の子らしい服が着てみたいとかうじうじ悩むんじゃなくて、ソッコで「凛も着てみたい!」と衣装担当に要求するのはすげぇと思います。アニメのときちらっと描写された「自分が男の子っぽいことに対するコンプレックス」と方向性は同じなのに、受ける印象が全然違うので驚きました。もちろん良い意味で。

 つーわけで、次のにこからはいよいよ三年生組です。
 もう買ってあるのでさっさと読んでしまおうと思いますってことで一つ。


【ラノベ】ログ・ホライズン 2 キャメロットの騎士たち

2013-11-27 | ライトノベル
ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2011-05-30

 読了。

 つーても、かなり前に読み終えてたんですが、感想を書くのが延び延びになってしまいました。
 ぼやぼやしているうちにアニメのほうで2巻分が終わってしまいそう――! というわけでパラパラと読み直してみたり。

 うん、やっぱり面白かったです
 ここだけの話、僕は(現時点で発売している中では)2巻が一番好きなんですよ。誤解を恐れずに言うと、2巻がめちゃくちゃ面白かったので『ログ・ホライズン』という作品にハマったという感じです。
 ちゅうか、まんま〝導入編〟だった1巻を受けて、どちらに舵を取るのか期待半分、不安半分だった2巻を、ここまで見事な形で「作品の方向性を示す一冊」としてまとめあげる手腕に舌を巻いてしまいました。
 以下雑感。

・2巻のメインである腹ぐろ眼鏡の活躍は全部好みだったが、アレを勧善懲悪のような形にしていないのが実にウマイと思った。ともすれば「初心者を半ば拉致に近い形で拘束してEXPポットをまきあげている」なんて行為は、完全な悪として断罪されそうなものだけど、シロエが一貫して「悪いことだから正す」という大義名分を振りかざさないのは、この手のラノベではとても珍しい。状況を考えればそういう行為を行う人間がいるのは当然である、という前提を踏まえて行動に移るのは冴えた書き方だよなと。1巻でも書いたが、多様性が感じられるのは、この作品の一番の長所だと思う。

・味覚に訴えかけてイニシアチブを握るというのも、使い古された手法ではあるんだけど、やはり王道ネタは使い方が上手ければ時代を選ばずに読者を楽しませることができるんだなと再確認。美味しい料理を作る方法をシロエたちが独占するわけでもなく(そもそも独占できない類のやりかたとして設定されているのも好み)、ほんの少しの幸運と発想力で盲点を突き、相手を出し抜くという競争の描写は、「生まれ持った天賦の才がある」みたいに安易な俺TUEEをされるよりずっとワクワクする。

・唯一の難点は、相変わらず全体的な描写がイマイチというところ。ちょうど『魔弾の王と戦姫』を読んでいるところなので、どうしても背景などの描写の拙さ(というか端折りすぎなだけ?)が目についてしまう。アニメを見てから読み始めた人や、この手のラノベに慣れていて勝手に脳内補完してくれる読者なら問題にならないと思うが、描写に関してはもうちょっと頑張れる気がする。発想とプロット力がこんだけ優れてる作家さんなので、期待してしまうんだよなあ。

 そんな感じで、頭脳戦はシビれますねということで一つ。


【ラノベ】終物語 上

2013-11-04 | ライトノベル
終物語 (上) (講談社BOX) 終物語 (上) (講談社BOX)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2013-10-22

 読了。

 面白かった! 完!\(^o^)/

 気軽に読めることにかまけて、最近は頭をまったく使わずにパラパラとページをめくれば良い作品にばかり触れていたので、おかしな言い方ですけど「久々にがっつりとラノベを読んだ気分」でした。
 長かった『物語』シリーズもいよいよ終わりが見えてきましたが、前作『暦物語』が最後のエピソードだけ読んでおけば問題ない作りっつーか、ぶっちゃけ他は全然面白くなかったのに比べると、今回の『終物語(上)』はとても楽しめました。暦と扇が教室に閉じ込められるまではテンポがよくないなーと思っていたんですけど、暦の過去に触れるエピソードだということが判明してからは、物語にグイグイと引き込まれていきました。
 まあ、過去エピソードとは言っても、おそらく最初からこういう構想があったわけではないでしょうけどね。『物語』シリーズ自体がツギハギで続いていることを考えても、『惑星のさみだれ』のように最初からエンディングまでのプロットがあったわけではないと思います。ただ、それでもなんとなくそれっぽく辻褄合わせしてしまえるのは、やはり西尾維新という作家さんの特異な能力なんだろうなと。

 さておき、内容に触れると、『終物語』は全体をとおしてミステリー色の強い一冊でした。
 このへん、「ミステリー」ではなく「ミステリー色」というあたりが、西尾さんのデビュー作でもある『戯言』シリーズっぽくて、なんとなく懐かしい気分になったりも。まー、相変わらず登場人物の名前がややこしいので、マトモに犯人当てをしようという気はまったく起こりませんでしたけどね!
 しかし言われてみると、〝子供〟にとっては両親や教師というのは絶対的な存在で、正しさの象徴のようなものであるというのは、当時の自分の心情と照らし合わせてみても納得のいく話なので、「おうぎフォーミュラ」の落としどころには、なるほどと思わされました。もっとも、あのケースで明確に悪いのは担任教師だったので、わかりやすい報いを受けたほうが読後感はよかったと思いますけど、そのへんは本筋から外れるから敢えて触れずに済ませたのかなあ。
 続く「そだちリドル」、「そだちロスト」では、『物語』シリーズでは珍しくガチでシリアスな問題を引っ張ってきたなーというのが第一印象でした。
 これまでも戦場ヶ原の母親の問題、羽川の家庭の問題などはありましたが、どこか作り話めいていてキャラクター造型の一環にしかなっていなかったことに比べると、老倉育の家庭環境はシャレで済まされるようなものではなかったので、作品カラーにそぐわないといえばそぐわないような……気がしないでも……ない……かな?(曖昧)
 ファイナルシーズンと銘打っている流れからの、扇というキャラの特異性を際立たせるための演出だとしたら、見事にハマっていると思います。ハイ。
 誤解を恐れずに言うと、後ろの二編に関しては、面白くはあったものの、あまりしっくりくる内容ではありませんでした。身も蓋もない話、読んでいて暦に非があるようには思えなかったんですよね、僕には。
 育に関する一連の問題は、どんなに暦自身が自罰的だったり、扇が追い込みをかけてみたりしたところで、「でも子供にどうこうできる話じゃねえしなあ」という思いが常に頭の隅をかすめていたせいで、育の言い分はどこまでいっても言いがかりとしか思えなかったのが何とも。あれです、理解はできるけど納得はできねーとか、そういう感じ。
 これは元々、僕が自罰的なキャラクター(主人公)が好きではないというのも絡んでいて、某『WA2』の北原春稀などが良い例ですが、登場人物の心理とどんどん乖離していくと冷めた目で物語を眺めてしまうんですよね。
 だからこそ、羽川と扇の対決には心躍るカタルシスがあったと言えるのかもしれません。扇の特殊能力なのか、やたらと暦が「扇ちゃんの言うことは正しい」と思っていることにイライラし始めていたタイミングだったので、おっぱいをエサに一本釣りしたり、あっさり言い負かしてしまう羽川に拍手喝采でしたよ。
 時系列的に「羽川が休学したのは扇の目くらましのため」というのがすでに明かされていることもあり、『終物語』というのは羽川が頼りになる存在というのをこれでもかと思い知らせるエピソードでもあったと思います。『傷物語』のときもそうだったなーと、これまた少し懐かしく感じたりもしました。

 とまあ、そんな感じで、羽川のおかげですげー面白い一冊でしたということで一つ。
 どうでもいい話、かつてエロゲの主人公で「数学だけ得意」みたいなキャラクター付けをよく見かけたんですが、エロゲライターさんとかラノベ作家さんは数学に対して特別な思い入れがあったりするんでしょうかねえ。
 そういえば、知人に「○○の定理」みたいなのが大好きだってふれまわってるファッション数学オタがいたっけなあー(明らかに悪意のある見方)


【ラノベ】ラブライブ!School idol diary ~小泉花陽~

2013-10-16 | ライトノベル
ラブライブ! School idol diary ~小泉花陽~ ラブライブ! School idol diary ~小泉花陽~
価格:¥ 819(税込)
発売日:2013-09-30

 読了。

 μ'sの中でもそれほど注目しているキャラではないから期待薄だな――と思っていたのも今は昔。
 前巻にあたる真姫編で、他の追随を許さぬ天使オーラを放ち、僕の心を鷲掴みにした花陽メインの巻が発売しました。

 んー、やっぱり天使だわ、この子(´ω`)

 いやホント、新しい巻を読むたびに言ってる気がしますけど、『ラブライブ!』のアニメは勿体なかったですね。尺の都合上しかたがなかったとはいえ、二年生組の他に、こんなに魅力的なキャラクターが揃っているというのに、ほぼ完全スルーしてしまったわけですから。
 それでもまあ、花陽はメイン回があっただけマシなほうではありましたが。相方の凛なんてボンクラーズの構成員として動いてただけだもんなあ……。

 さておき、今回の花陽の巻で見過ごせない要素といえば、やはり「コンプレックス」というところになるでしょう。
 幼いころからアイドルへの憧れを胸に秘め、母親から思わぬ過去の話を聞かされて心が沸き立つも一転、自分が運動音痴で要領が悪いという現実を突きつけられる……というストーリーの流れは、これまでに表層を見知っていた「小泉花陽」というキャラクター像から大きく外れないものでした。
 んで、今回の『School idol diary』を読んでいてふと気づいたのは、花陽が「自分なんてどうせ」と自らを卑下したときの周囲の反応が面白いな、ということです。
 まあ、ぶっちゃけ、アニメやラノベ、漫画などでは、さほど珍しいタイプのキャラではないんですよね、花陽って。自分の魅力を自分が一番分かっていないというか、過剰に卑下するところがあるので周りがフォローするというのは、控え目なキャラクターにはありがちなパターンではありますので。
 誤解を恐れずに言うと、僕はこういうキャラがあまり好きではなくて、だからこそ花陽にはそれほど注目していませんでした。いやらしい見方になりますけど、自分を卑下するキャラって相手のフォローを期待している様子が見え隠れしてダメなんですよね
 ところが、不思議と公野さんが書かれる花陽からは、そういういやらしさがまったく感じられません。花陽が「自分はダメな子だから」と言うときは、真実彼女がそう思っているからであって、相手からのフォローなどを期待しているわけではない、と見て取れます。
 このへんはデリケートな部分なので、かなり気を遣って書かれていると思うんですけど、いわゆる「裏表がない」という花陽の特性が非常にうまく表現されているからなのかなと。最初に花陽のことを天使と書きましたが、そういう意味では「天使っぽさをうまく表現している」と言ったほうが正しいのかもしれません。コレ、口で言うのは簡単なんですけど、難しいんですよねー。
 そういえば、『スクフェス』では花陽、ことり、希の三人がピュア属性として設定されていますが、ことりや希が計算高い部分もあるというふうに描写されているのと対比しても、花陽の無垢さというか、純粋さが伝わりやすいようになっていることには感心しました。

 とまあ、そんな感じで、花陽語りになってしまいましたが、エピソードは全編通して面白かったですということで。
 一年生組はよりキャラクターの内面に迫る内容になっているので、次の凛のエピソードも楽しみです。花陽との絡みを見ていると、良い子なのはよーくわかるんですが、イマイチ現段階だと掴みづらいキャラクターでもあるので楽しみです。


【ラノベ】ラブライブ!School idol diary ~西木野真姫~

2013-09-23 | ライトノベル
ラブライブ! School idol diary ~西木野真姫~ ラブライブ! School idol diary ~西木野真姫~
価格:¥ 819(税込)
発売日:2013-08-30

 読了。

 うおー、真姫カワイイ(´▽`)

 穂乃果、海未、ことりの二年生トリオに続いて、真姫編の発売です。ことキャラクターの掘り下げに関しては、前三人を遥かに凌駕してますねコレ。
 おそらくそう感じるのは、アニメが二年生トリオ中心の構成になっていたからで、それが悪かったと言うつもりはまったくないですけど、真姫にスポットを当てたエピソードがこれだけ面白いと、他のキャラの掘り下げもアニメで行って欲しかった気がしてしまいますね。それは二期に期待ってところでしょうか。

 つーわけで、なんとなーくしか掴めていなかった西木野真姫というキャラクターを、かなり知ることができたような気がします。
 基本クールであるとか、素直になれないところがあるとか、アニメではぶっちゃけその程度の認識でしたが、実はかなりのヘタレであるとか他のメンバーに弄られやすいとか、そういった意外な面があることもわかりました。
 このへんは二次創作界隈では見かけるネタでしたけど、ぶっちゃけ二次創作はどこまでアテにしていいのか分からないっつーのが正直なところなので、こうやってガッツリ公式で描写してもらえると理解が深まります。
 ちゅうか、七不思議と自転車のエピソードは予想の範疇を出るものではありませんでしたが、学園祭のエピソードはマジで面白すぎました。こういう「おだてられるとすぐ調子に乗る」のは穂乃果あたりの専売特許だと思っていたのに、まさか真姫がここまでチョロかったとは……。新たにチョロカワイイという属性を手にした西木野真姫ちゃんは無敵のように思えるから困る。
 でもよく考えてみると、ああいうチョロさっていうのは、やっぱ筋金入りの箱入り娘だからというルーツに繋がるんだろうなと。
 や、上手く言葉で言い表せないんですが、「素直じゃない」とか「チョロイ」あたりの要素を兼ね備えているキャラクターというだけなら、他にもいくらでもいると思うんですよね。ですけど、そういった要素をまとめて「西木野真姫というキャラクターの構成要素」としてキッチリ仕上げている例というのはあまり見受けられないので、丁寧に作られている作品なんだなあというのを改めて感じました。
 最後になりましたが、一年生同士ということで何気に花陽と凛の絡みが多かったのも嬉しかったです。上記したのと同じ理由で、この二人に関してもぼんやりとしたキャラクター性しか把握できていなかったので、さほど好きというわけではなかったんですが、二人とも天使すぎてどうしようもねえです
 特に花陽は、多少「分かった上でコントロールしている」ところのあることりとの対比でマジ天使というか、プライドの高い真姫が自転車に乗れないというのを知られたときの対応ってわりと最難関のクエストだと思うんですが、素で褒め殺してモチベーションを上げる手腕に脱帽ですよ。
 アニメだとおどおどしている印象だけが強かったので、対等の関係として真姫を支える花陽の姿はとても新鮮でした。

 つーわけで、次の花陽の回も楽しみですっつーことで一つ。