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ラブライブ! School idol diary ~星空凛~ 価格:¥ 819(税込) 発売日:2013-11-30 |
読了。
凛ちゃんさん……あなた可愛すぎるでしょう。
ここだけの話、アニメの『ラブライブ!』を見たあとで、様々な媒体を通して同作品を掘り下げていくと、それまで抱いていた印象がガラッと変わるキャラクターが多いです。凛もその一人。
もっとも、これは真姫や花陽のときも書いたことですが、アニメは二年生の三人が中心だったので、その他のキャラクターの掘り下げがほぼゼロだったという理由が大きいんですけどね。
ただ、『School idol diary』はそれを差し引いても良い意味で新鮮さを感じながら読めて楽しいというのは間違いないでしょう。今回もすげー面白かったです。
んー、なんだろうな。おそらくこれは、作者の公野さんがめちゃくちゃバランス感覚に優れているからだと思うんですけど、凛の過去エピソードが実によく考えられていて感心してしまったのですよ。具体的に言うと、小猫のエピソードにせよ、陸上のエピソードにせよ、楽しい思い出というだけで終わらせていないのがすごく上手いなと。
身も蓋もない分析をすると、あれって考えなしの作家さんであれば、小猫は5匹とも助かったことにするでしょうし、陸上もなんだかんだで優勝して終わったっていうふうにしてしまうと思うんです。
でも、それって「凛の過去」という視点でそのエピソードを見たときに全然面白くないんですよね。単なる綺麗な思い出話にしかなってないというか、アニメで描かれた脳天気っぽいキャラクターとしての裏付けにはなりますけど、それ以上の意味は持ちません。
ですけど、本編にあったように過去エピソードに〝苦み〟を加えることで、現在の凛というキャラクターにも深みがもたらされています。そのおかげで、一冊読み終えたときには、僕もなんとなく「ああ、凛ってこういうキャラなんだ」と掴めたような気がしました。
他はまあ、相変わらず花陽は天使だなあとか、ことり腹黒いなあとか、そんな感じで。
や、「きりっと凛々しい海未は可愛いけど、一番は泣き顔で困ってる海未ちゃん」みたいなことを素で考えているあたりでわかりきっていたことですが、ことりマジ怖い。隠れドSっぷりが凛に対しても存分に発揮されていて、なんかゾクゾクしました。
とはいえ、凛も花陽顔負けの天使なのでまったく深刻にならないのが面白かったんですけどね。女の子らしい服が着てみたいとかうじうじ悩むんじゃなくて、ソッコで「凛も着てみたい!」と衣装担当に要求するのはすげぇと思います。アニメのときちらっと描写された「自分が男の子っぽいことに対するコンプレックス」と方向性は同じなのに、受ける印象が全然違うので驚きました。もちろん良い意味で。
つーわけで、次のにこからはいよいよ三年生組です。
もう買ってあるのでさっさと読んでしまおうと思いますってことで一つ。