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【ラノベ】ログ・ホライズン 2 キャメロットの騎士たち

2013-11-27 | ライトノベル
ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2011-05-30

 読了。

 つーても、かなり前に読み終えてたんですが、感想を書くのが延び延びになってしまいました。
 ぼやぼやしているうちにアニメのほうで2巻分が終わってしまいそう――! というわけでパラパラと読み直してみたり。

 うん、やっぱり面白かったです
 ここだけの話、僕は(現時点で発売している中では)2巻が一番好きなんですよ。誤解を恐れずに言うと、2巻がめちゃくちゃ面白かったので『ログ・ホライズン』という作品にハマったという感じです。
 ちゅうか、まんま〝導入編〟だった1巻を受けて、どちらに舵を取るのか期待半分、不安半分だった2巻を、ここまで見事な形で「作品の方向性を示す一冊」としてまとめあげる手腕に舌を巻いてしまいました。
 以下雑感。

・2巻のメインである腹ぐろ眼鏡の活躍は全部好みだったが、アレを勧善懲悪のような形にしていないのが実にウマイと思った。ともすれば「初心者を半ば拉致に近い形で拘束してEXPポットをまきあげている」なんて行為は、完全な悪として断罪されそうなものだけど、シロエが一貫して「悪いことだから正す」という大義名分を振りかざさないのは、この手のラノベではとても珍しい。状況を考えればそういう行為を行う人間がいるのは当然である、という前提を踏まえて行動に移るのは冴えた書き方だよなと。1巻でも書いたが、多様性が感じられるのは、この作品の一番の長所だと思う。

・味覚に訴えかけてイニシアチブを握るというのも、使い古された手法ではあるんだけど、やはり王道ネタは使い方が上手ければ時代を選ばずに読者を楽しませることができるんだなと再確認。美味しい料理を作る方法をシロエたちが独占するわけでもなく(そもそも独占できない類のやりかたとして設定されているのも好み)、ほんの少しの幸運と発想力で盲点を突き、相手を出し抜くという競争の描写は、「生まれ持った天賦の才がある」みたいに安易な俺TUEEをされるよりずっとワクワクする。

・唯一の難点は、相変わらず全体的な描写がイマイチというところ。ちょうど『魔弾の王と戦姫』を読んでいるところなので、どうしても背景などの描写の拙さ(というか端折りすぎなだけ?)が目についてしまう。アニメを見てから読み始めた人や、この手のラノベに慣れていて勝手に脳内補完してくれる読者なら問題にならないと思うが、描写に関してはもうちょっと頑張れる気がする。発想とプロット力がこんだけ優れてる作家さんなので、期待してしまうんだよなあ。

 そんな感じで、頭脳戦はシビれますねということで一つ。


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