蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦界の展望 (13)

2006-08-03 | 蕎麦界の展望
③  名店といわれる本格的蕎麦店の多くは、自ら産地まで出向き、求めてきた玄ソバを自家製粉し、ブレンドして、蕎麦を打っている。このブレンドについて考えてみよう。

ブレンドするには様々な理由があるだろう。例えば、そうすることによって店の独自性をだすなどである。高橋さんも、自身の著書の中で、「それぞれの産地別に製粉して、粉にしてからそれらをブレンドして使います。僕はいつも一定のレベルのものを出したいと思っている。」と述べている。

しかし、一方において、それはどんな意味をもつのだろう。
蕎麦店がブレンドしているということは、各地域の蕎麦に違いがあるからである。それならば、客である私達にそのままだしてほしい。違いを知れば、客の蕎麦に対する興味・関心は、必ず高まる。その結果、客の蕎麦を味わう力は間違いなく向上する。そのような客の出現によって、蕎麦の世界はさらに前進する。私には、各地域に特徴のある蕎麦が存在するならば、これを掘り起こさないで、豊かな蕎麦の文化が開花するとは考えられない。

ブレンドするということは、そういうことを摘み取っていることを意味している。
私は、日本酒を好んで飲むが、かつて日本酒はまずかった。ナショナルブランドという大メーカーが日本を席巻していたからである。今はどうだろう。今は地方の多くのいい蔵が、独自の味わいをもつ美味い日本酒を提供しているではないか。豊かな日本酒の文化が花開いている。

蕎麦の世界でも、この日本酒のような世界が開けてほしい。次の世代は、いろいろな蕎麦が味わえる豊かな蕎麦の世界を切り開くことが、最大の課題である。

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