蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦界の展望 (16)

2006-08-07 | 蕎麦界の展望
次の時代の変革の担い手は、ソバ栽培の研究者・生産者の側から出現する可能性があるとすれば、その対極に位置する食べる側から現れる可能性もある。蕎麦を食べる側から、蕎麦打ちに集中し、石臼を極め、栽培に至り着くという道筋である。

今は、あちこちの有名蕎麦店を食べ歩き、もっともらしい発言をする人は、限りなく多い。自ら蕎麦打ちも試みないこうした人達には、何も期待できない。
現在は、蕎麦打ちを自分で行う人も、実に多い。残念ながらそこで止まってしまいがちである。蕎麦が打てるようになったことに満足するレベルから始まり、十割そばが問題なく打てるようになったとか、蕎麦の道具の世界にはまり込んでしまうとか、理由は様々である。蕎麦の振興と称して、段位制度などがあるのも問題である。そこに参加している人の意識は、上級の段位の取得のみが自己目的化してしまっている。

それにもかかわらず、蕎麦を食べる側からアプローチしている人には、絶対的な強みがある。食べることから出発しているが故に、味に繊細な人がいる。味について特別な才能を備えた人が、蕎麦打ちのみの世界から脱皮して、石臼、何よりもソバの栽培まで突き進んだら、今の蕎麦界を突破する可能性はある。

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