蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦界の展望 (19)

2006-08-10 | 蕎麦界の展望
第3期の蕎麦界の発展は、ソバを栽培すること以外に方法はありえない。日本はソバを8割以上外国から輸入し、残りの2割弱を国内で生産している。このほとんど大部分が、機械による刈り取りによって収穫されている。機械すなわちコンバインによる刈り取りは、ソバの木を刈り取り、ソバの実を外し、実だけにして袋につめてしまう。そこには、幾つもの問題がある。

①  コンバインでは、ソバの最適な時期に、刈り取るのが難しい。葉がまだ青みを帯び、ソバの木がいまだしっかりしている時期に刈り取りたくても、この時期では機械にソバの木が詰まってしまう等の不具合を起こしてしまう。私は、刈り取り時期はかなり早めでなければ蕎麦は美味くないと考えているのだが、そんな時点での刈り取りはまるで不可能である。

②  コンバインでは、ソバの実を木から無理矢理取り去ってしまうため、殻までもが取れたものさえ出てしまう。殻が取れてしまうということは、ソバの殻にひび割れができたものはその何倍もあるだろう。その何倍もあるソバは、割れ易いという観点から考えれば、最初に熟した最良のソバに違いない。その良質のソバに空気が入れば、一気に酸化が進んでしまうだろう。殻を外せば、淡い緑のソバなどなくなってしまう。

③  さらに、コンバインでは「後熟」など望むべくもない。ここで私が後熟というのは、ソバを刈り取った後、体内の栄養分が移動し、実を充実させるという意味である。果物などの追熟ではない。そのようなことはあり得ないという意見もある。が、私には、後熟があるとしか考えられない。手刈りのソバは確実に美味いからだ。卓抜な味の感覚を持っている友人のNBさんは、私よりも強く、味に相違があると主張している。では、なぜ後熟があると考えざるを得ないのか。私の推察を次回述べたい。

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