一昨日、今年度の新ソバの試食会を行なった。
圃場Aと圃場Cのソバを打った。前日、丸抜きにしたソバを石臼で挽き、篩は、60メシュを使用。打粉は「日向白鳥」を用い、水とソバ粉のみで打つ。Aの蕎麦は少し硬ぎみ、逆にCの蕎麦は少し柔らかかった。加水量は共に47%。乾燥が少し行き過ぎていた。
圃場Aのソバ : 今年のソバは上々であった。香りも色もよく、私の評点で5.5とすることにした。 圃場Cのソバ : こちらは5.2とする。
圃場Aは、私が最も大切にしている香りがとてもよく出ていた。Cの香りも良く、ほぼ同等の「質」と「強さ」があった。その差は僅差なのだがあえて言うならば、Aの方が、香りの持続性があった。Cの方は、初め強いが、すぐに「すーと」消えてしまう感じであった。さらに、Cの香りが、軽く、シンプルであるのに対し、Aのそれは重層的で複雑な感じがした。
食べるときの蕎麦の色は、2つとも緑色がよく出ていたのだが、若干の差があった。1つのざるに盛ったので、両者の差はより明瞭だった。Cの方は緑が少し白っぽく、Aの方は緑が黒めに出た。後で、Aを単独で見たら、緑が濃い感じであった。いい色が出ていた。
私の評価で、今年は昨年までのソバを超えた理由は、次の2つだと考えている。 ① 圃場Aに使った腐葉土がよく熟成していたこと。これまで、おもに1年経過した腐葉土を使っていたが、今年は、「2年もの」を畝の下に入れられた。 ② この地域の今年のソバは、ほかの年に比べ味がよかったのではないかということ。信頼できる蕎麦店の店主が、「この地域の今年のソバは味がよい。」と発言していることが伝わってきている。
今年のソバの出来は上々であったが、まだまだ満足できるものではない。問題は、ここからいかに先に進められるかである。