蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

ソバと水はけ

2007-10-20 | '07 SOBA

私の家から車で30分程の所に、ソバが広く栽培されている地域がある。先日、その地域を見てきた。
まず目についたのは、1枚の畑でもソバがよく育っている部分とそうでない部分が混在している畑が意外に多かったことである。このソバが生育していない部分は、この地域を9月上旬に襲った台風9号によって冠水したところである。

つとに指摘されるように、ソバは水を嫌う作物である。特に、発芽後そう時が経過しない時期に、雨などの影響を受けると、まともに生長しないか「溶けて」なくなってしまう。この湿害を回避するには次のような方法があると思われる。

1つは、1枚の畑の中に、低い所をつくらないことである。しかし、これがなかなか難しい。凸凹がどうしても出来てしまう。さらに、冬の作物がないときに、畑をみると多くの畑で端が高くなっている。特に四隅が高い。これはトラクターで耕運すると土を後ろにはね上げてしまうために中央が低く周りが高くなってしまうからである。
もう1つは、様々な方策を用いて、土の物理性を理想的な状態に近づけておくことである。

ところで、今回見学してきた中で特にソバの草丈が高く、葉が大きく青〃とし、花がより多い畑が2つあった。それは緩やかな傾斜畑であった。台風による雨の影響をあまり受けず、比較的温暖であった9、10月の気候により、首尾よく生長したためと思われる。今までの私の経験から傾斜畑は作り易い。もちろん、それは作業が楽であるという意味ではなく、安定した収穫が得られるという意味においてである。水はけがよくて、ソバ栽培に失敗がそれほどない。

付言するなら、傾斜畑には次のような利点もある。
平坦地よりも南東向きの斜面の方が早朝からより強い光を受ける。より強い光を受ける斜面のソバからは、夜に付着した水分の蒸発はより早い。それはより多くの訪花昆虫をもたらし、受粉もより多くなる。(朝ソバ畑で太陽の照射部分と日陰の部分を観察すると、前者の方が訪花昆虫の数は多い。)

ソバの栽培には、水はけがよいことが重要な条件に思われる。




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