蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

’12新ソバ試食会

2012-12-10 | '12 SOBA

一昨日、今年度の新ソバの試食会を行なった。

圃場Aと圃場Cのソバを打った。前日、丸抜きにしたソバを石臼で挽き、篩は、60メシュを使用。打粉は「日向白鳥」を用い、水とソバ粉のみで打つ。Aの蕎麦は少し硬ぎみ、逆にCの蕎麦は少し柔らかかった。加水量は共に47%。乾燥が少し行き過ぎていた。

圃場Aのソバ : 今年のソバは上々であった。香りも色もよく、私の評点で5.5とすることにした。    圃場Cのソバ : こちらは5.2とする。

圃場Aは、私が最も大切にしている香りがとてもよく出ていた。Cの香りも良く、ほぼ同等の「質」と「強さ」があった。その差は僅差なのだがあえて言うならば、Aの方が、香りの持続性があった。Cの方は、初め強いが、すぐに「すーと」消えてしまう感じであった。さらに、Cの香りが、軽く、シンプルであるのに対し、Aのそれは重層的で複雑な感じがした。

食べるときの蕎麦の色は、2つとも緑色がよく出ていたのだが、若干の差があった。1つのざるに盛ったので、両者の差はより明瞭だった。Cの方は緑が少し白っぽく、Aの方は緑が黒めに出た。後で、Aを単独で見たら、緑が濃い感じであった。いい色が出ていた。

私の評価で、今年は昨年までのソバを超えた理由は、次の2つだと考えている。 ① 圃場Aに使った腐葉土がよく熟成していたこと。これまで、おもに1年経過した腐葉土を使っていたが、今年は、「2年もの」を畝の下に入れられた。 ② この地域の今年のソバは、ほかの年に比べ味がよかったのではないかということ。信頼できる蕎麦店の店主が、「この地域の今年のソバは味がよい。」と発言していることが伝わってきている。

今年のソバの出来は上々であったが、まだまだ満足できるものではない。問題は、ここからいかに先に進められるかである。


'12 明日は新ソバ試食会

2012-12-07 | '12 SOBA

明日は、2012年度の新ソバ試食会を行う予定だ。もう数十年も継続して食べていただいている4人の方に今年のソバの評価を伺う。ほんのわずかな玄ソバの違いを指摘してくださる方々なので気を使う。

蕎麦のつゆは、今までは昆布とかつを節だけでつくっていたが、それらが持つグルタミン酸やイノシン酸のうま味成分のほかに、グアニル酸を持つ干し椎茸を使ってみた。自分の評価では上々の出来となった。

ソバは、圃場Aと圃場Cを用意した。今日の午前に丸抜きにして、午後混入している殻(果皮)のついたソバと酸化して黄化したり赤茶けたソバを、目視ですべて取り除いた。光を受けないように紙に包み、気温の低い部屋に置いた。

明日は、ソバを石臼で挽き、すぐに打つ。