蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

在来種の純化

2014-01-18 | ’13SOBA

今や高品質の在来種は、日本の幾つかの地域にしか残っていまい。ソバそのものが持っている他家受粉なる性質によって絶えざる交雑が進行してしまっているからだ。

幸い私の地域では、友達のNBさんがそば会を組織して、古くからこの地に残る在来種を20年以上も栽培し続けている。この間、近くのソバ栽培者には無料でソバの種子を提供してきた。従って、この地域のソバは在来種としての純粋性がかなりの程度保持されていると思われる。

 私のソバも、NBさんらそば会の人たちが栽培する区域内で耕作してきた。さらに、隔離栽培をしていた期間もあるので、在来種としての純粋性は周辺のソバよりは少しは高いと思われる。また、そば会の人たちから、蕎麦の味についても一定の評価を得た。

 そこで、私の庭で栽培してきたソバを拡大することになった。2012年に、私の庭の種子を周辺にはソバが栽培されていない離れた地域で、栽培した(2012年の圃場B)。この種子5kgを、そば会の人達が2013年に自宅の東の畑(12a)に栽培してくれた。台風到来など悪条件の中で、約60kgの収穫を見た。このうちの45kgを次年度の種子として保存した。これで、そば会が耕作している畑の面積の約半分に供給できる。

 今年、このソバを栽培し収穫できれば、2015年度からすべての畑に同一の出発点を持つ在来種がいきわたる。少しずつの進歩の実感が、そばへの関わりをスリリングなものにしてくれる。