蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

'15 試食会

2015-12-04 | '15SOBA

先日、今年度のそばの試食会を行った。そばの味について鋭利な舌を持つお二人と共に食べた。

いつもの私の評価で5.0(0~10で評価 過去3年間の評価は 5. 5 /  4.8  /   2.8 次第に低下) 

収穫は手刈り、7日間のハサ掛け、手による脱穀、約2時間の天日乾燥(16~17%)、 石抜き、磨き、丸抜き、石臼製粉。

打ち方は例年と同じ。篩は23メシュを使用、打粉は「日向白鳥」、水とソバ粉のみで打つ、加水量は45%。

そばの色は2年前の色によく似ていて、少し「黒っぽい黄緑色」。深緑色といった方が良いかもしれない。悪い「黒っぽ」さではなかった。

香りもまずまず。3年前5.5の評価をつけたそばには及ばないが、それに近いとも言えないが遠くもない。

食べる前の香りの広がりは申し分なかった。しかし、ひと噛みふた噛むしているうちは豊かな香りを示すのだが、すーと消えてしまう。香りの持続性がない。これは、加水量が少し多かったので、練りの回数が少なかったために「めん」体に香りを閉じ込めることができなかったからだと思われる。

以上のようなわけで、今年のそばの評価は5.0ということにした。

ところで、同時に近くで収穫したソバも試食した。こちらは3.5の評価。収穫はコンバインで、乾燥は天日乾燥。

付) 今年の収穫量は2.8kg。10a当たりに換算すれば140kg。また、収穫個体数は559。従って、1㎡当たり約28立毛数となった。


刈り取り

2015-10-20 | '15SOBA

今日、62日目で今年のソバの刈り取りを行った。褐変率が、目標の60%に達したと判断して、刈り取ったのである。

ウドンコ病が意外に広がっていた。ヨトウムシの被害も散見された。さらに、アブラムシも2箇所で繁殖していた。

例年の通り、ハサ掛けし、雨などを防ぐために上にビニールを張っておいた。約1週間このままの状態で乾燥する予定である。

 


4週経過

2015-09-16 | '15SOBA

播種後4週が経過した。

倒伏によるダメージから少しずつ回復し、草丈は約65cmとなった。とはいえ、畝の間がまだ空いており、いつもの年ほど生育が順調ではない。ちなみに、畝から畝の間隔は92cmであり、播き幅は30cmである。

土寄せを行った。根元に土を寄せたので少しは倒伏防止になると思われる。

開花が進み、訪花昆虫も多くなった。受粉も順調に進み、うまく結実していってほしい。


倒伏

2015-09-11 | '15SOBA

危惧していたことが発生した。

台風17、18号及び秋の停滞前線の影響で豪雨に遭遇した。ソバは播種後3週間で開花直前である。この時期、ソバは草丈を急激に伸ばし、茎が最も脆弱になっている。ここに大雨が降ったのだから倒伏は必至であった。

町内のソバ畑を見回ってきたのだが、私のソバは格段に状況が悪い。下段の写真の通りである。もちろん、この倒伏は異常なる大雨の影響によるものだが、次の2点が主要な原因だと考えている。

① すでに書いたが、ソバの草丈の生育が最も急激な時期だったことである。町内のソバ畑を見る限り、播種時期が早く(8月上旬頃)草丈が充分生育しているところでは倒伏は軽度であった。おそらく、茎の強度が上部の重量に対して耐えられるようになっていたのだと思われる。他方、播種時期が遅く、草丈が低いソバは比較的倒伏が少ない。

② ソバは水分に弱いので、私の圃場は緩やかな傾斜がつけてある。これは特別な豪雨でもなければ、降った雨は中央から南北に速やかに流れてしまいすこぶる都合がよい。しかし、今回の雨は多すぎた。緩やかな傾斜でも、過多となった水が表土を流してしまった。その結果、そソバの根元は洗われ、こらえきれず倒伏したところも少なからずあった。圃場の緩やかな傾斜が「あだ」となった。

倒伏したソバは、1つ1つ根元に土を寄せ立たせた。元のようにはなっていないし、それぞれの個体へのダメージは大きいと考えられるので、本来の収穫量は望めなくなった。

倒伏によってソバの茎が折れていたものや、注意深く作業は行ったのだが、修復の過程で折れたものもあったので、69個体を破棄した。これであるべき立毛個体数は1246となった。

倒伏状況  ほぼ全滅で、立っている個体はない。

修復後の状況

上の写真ではよく立ち上がっている様に見えるが、1部ではまだまだのところもある。

 


半月経過

2015-09-04 | '15SOBA

播種してから、約半月経過した。

密植の部分とそうでないところが、あまりにも際立っている。基本的には播種するのが「下手」なだけなのだが、少しは工夫をしている。今年は全体の播種数を1350としたので、これをあらかじめ4等分(337と338だが)して、4つの畝に均等に配分した。次に、1畝播くのに何度も行ったり来たりしながら少しずつ播いた。この方が均一になると考えたからである。しかし、結果は写真の通りである。

あまりにも密植の部分は、今までに随時間引きをした。生育不良で取り除いたものも含めて135個体になった。最初の播種数が1350、後に100を加えたので、1450がトータルの播種数となった。しかし、間引きなどで135取り除いたため、現在のところ1315が現在のあるべき立毛個体数である。

しかしながら、順調に生育しても、収穫時の立毛個体数はもっと少なくなる。

 


発芽

2015-08-24 | '15SOBA

昨日播種4日目で、予定通り発芽した。

ただ単に播くのが「下手」だったり、発芽不良だったりして随分不均一になってしまった。それで、空間が出来てしまったところに、種子を播き足した。その数は100で、最初からの総数は、1450になった。近いところは間引きする予定だが、まだ発育不良になるのもあるので、もう少し様子を見てからにする。

4日目の発芽状況

発芽が不均一なところ


2015 今年の方針

2015-08-22 | '15SOBA

次は、昨年の総括を踏まえての今年の方針である。

①     昨年は、播種が早いほうがよかったからと言って今年もそうなるとは限らない。しかし、地球の温暖化が進行している等を考慮すれば、播種は早めた方がよいかもしれない。さらに、今年の果樹、野菜の成熟状況も、周りから聞く限り、進行が早い。それで、例年8月21日の播種日を数日早めようとした(昨年は8月23日)。しかし、実際は天候の関係で2日早い19日になってしまった。

②     昨年収穫した玄ソバはよくなかった。それで、NBさん達が栽培している隣の畑のソバ(私の圃場のすぐ隣なので形質が近いと思われるので)を種子にすることにした。無理をお願いして、米袋2つ、約45kg、から選ばせてもらった。まず、唐箕による風選によって5kgまで精選した。次に、石抜き機に何度もかけ石の方に集まってくる比重の高いものを集めた。これで約500gに絞った。最終的には、目視で、形状、色などを基準とし、1350粒を決定した。

これを19日に播種した。1000粒重30gで計算し、10a当たりにすれば2kg強(一般には5kg)の播種量である。1㎡当たりでは、約68粒子である(圃場は20㎡)。

③     私は、ソバの「肥料」には、落葉(腐葉土)が最もよいと考えているので、落葉の投入量を増やすことにした。落葉収集用の袋で、昨年は10袋だったのに対して、今シーズンは21袋集めた。それを、圃場の上に広げておいた。私は、この方法が、別のところで腐葉土にして投入するよりも、また、集めてきたらすぐに鋤込むよりもよいと考えている。前者の方法では、先に腐葉土化する下の部分のいい成分が逃げていってしまうのではないかと考えている。また、後者の鋤込む方法では、これだけの量は鋤込めない。

播種の1週間前から圃場の上の落葉を取り除き、19日に播種した。

今年の冬に、集めた落葉を圃場の上に積み上げた。   

落葉飛ばないように、上を覆った。

今年より腐葉土化した下側の落葉を、次年度の落葉の下に敷き込むように再び落葉収集用の袋に戻しておいた。

 


2015 播種

2015-08-19 | '15SOBA

今日、今年のソバを播いた。

もう少し早く播きたかったのだが、雨が降ったので圃場が乾くのを待ったら今日になってしまった。とにかく、播種ができたので一安心だ。

収穫まで何が起こるか判らないので、うまく発芽し、生育してくれることを願っている。


新シーズンの始まり

2015-08-01 | '15SOBA

まずは、昨年の総括から始める。

前年度(2014年)のそばはひどいものだった。ソバを栽培して20数年になるが、最悪の年の1つである。試食以来、折に触れて原因を考えているが、今は、次の3点がその原因と考えている。①天候など自然条件。②腐葉土の投入不足。③前々年の種子を使用したこと。

 ①   昨年は自然条件が、ソバ栽培には適していなかったかもしれない。生育前半は問題なかった。というよりむしろ例年よりよかった。発芽も良好で、5週目頃までは、順調に生育していた。ところが8週目には、「実の入りが悪い」ことに一抹の不安を抱いた。さらに、倒伏が起こらなかったのも例年とは異なっていた。結果は、収量も少なかったし、味に至っては論外となってしまった。

 昨年が、ソバ栽培には不適であったのではないかと考えるには次の理由がある。

私の友達のNBさんは、この地で約3haの畑にソバを栽培している。彼は、「ソバがまともに収穫できたのは8月10日以前に播種したものだった」と言っている。この地の他の栽培者もそれと同じであったならば、私が播種したのは8月23日だから、いいソバが取れなかったのも当然かもしれない。ちなみに、この地の播種適期は、旧暦のお盆頃と言われている。

 私の地域には、本当に美味しい蕎麦を出してくれる名店がある。その御主人は、全国から自分の目にかなった選りすぐりのソバだけを入手し、自家製粉で提供している。そのご主人が、友達のNBさんのところに、いい玄ソバないか相談に来たそうである。こうした事実からも、昨年のソバは生育も収穫もままならなかったのではないかと思われる。

 ②   私は、美味いソバを収穫するのに適した「肥料」は、腐葉土を大量に投入することだと考えている。過去3年間で、福島原発の放射能の懸念から、2年間は未投入で、昨年は落葉を入れたものの、その量が少なかった。これも一つの原因と思われる。

 ③   昨年は、大失態を犯してしまっている。取っておいたはずの前年の播種用の種子が見つからなかった。やむを得ず前々年の種子を使った。これがいけなかったのかもしれない。(ちなみに、古い種子の発芽率は相当低下すると聞いていたが、そのようなことはなかった。)


’14新そば試食

2014-12-31 | ’14SOBA

12月の半ばに、新そばを試食した。

私の評価で2.5(0~10で評価 一昨年は5、5 昨年は4.8)。 過去最低。

打ち方は昨年と同じ。丸抜きにし石臼で製粉。篩は23メシュを使用。打粉は「日向白鳥」。水とソバ粉のみで打つ。加水量は56%(途方もない乾燥度合い)。

そばの色も香りも何もかもよくなかった。これだけ悪いと外的要因(天候など)も自分の栽培方法もすべてが負のベクトルに向かっていたとしか考えざるを得ない。

ひとまずこれらの要因を冷静に考えてから、先に進むしかない。