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腸内発酵による水素発生と呼気中の水素ガスは代謝に関連する

2012年05月24日 | 学術発表

 腸内細菌による発酵で、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスが発生する。奥教授は、腸内細菌が生成する水素ガスが代謝と関連することに注目し、糖質の代謝と排出される呼気水素ガスの関連を機能評価に利用できることを明らかにした。この研究を2011年5月の第65回 日本栄養・食糧学会大会で発表し、功労賞を受賞した。

難消化吸収性糖質の生理機能と生体利用に関する研究

奥 恒行
長崎県立大学シーボルト校 大学院人間健康科学研究科 栄養学専攻

 難消化吸収性糖質(難消化性オリゴ糖、糖アルコール、食物繊維など)は、小腸を通り抜けて大腸へ到達し、そこに棲息する腸内細菌による発酵を受けて酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸の他、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスなどへ代謝される。これらの代謝産物のうち、短鎖脂肪酸が大腸から吸収されて肝臓や筋肉組織でさらに代謝され、エネルギーを産生する。すなわち、消化・吸収されない糖質であっても腸内細菌によって短鎖脂肪酸へ転換されると宿主のエネルギー源として利用される。ショ糖やでんぷんなど消化吸収性糖質の生体利用は、消化・吸収の概念で説明できるが、腸内細菌を介して利用される難消化吸収性糖質は発酵・吸収によって生体利用されるという概念を導入する必要がある。受賞者はこの発酵・吸収の概念を栄養学に導入すると共に、この考え方に基づいて、わが国で開発された単糖・オリゴ糖、糖アルコールおよび食物繊維などの難消化吸収性糖質のエネルギー評価を試み、エネルギー換算係数を提示した。また、受賞者は、腸内細菌を介してさまざまな機能を発揮するときに生成する水素ガスに注目し、呼気水素ガス測定の妥当性を様々な角度から検討して難消化吸収性糖質の機能評価指標に利用できることを明らかにした。血糖上昇やインスリン分泌を刺激するような糖質は大腸へ到達しないので呼気水素ガスを排出することはないが、呼気水素ガスを排出する糖質は血糖上昇やインスリン分泌を生じない。したがって、これら3つの指標を組み合わせることによって難消化吸収性糖質の生体利用性を評価することが可能となる。いずれもエネルギー源として利用されるが、その利用のされ方と有効エネルギー量が異なることを明らかにしている。
第65回 日本栄養・食糧学会大会 抄録誌より

これに関連して、カレーに含まれるターメリックの呼気水素への影響が報告されている(2006年、国立循環器センターと神戸女学院大学・名古屋大学)。カレー摂取と生体微量ガス成分の関連に関する調査の結果、「カレーに含まれるターメリックは呼気水素産生を亢進し,小腸通過時間を短縮させる」としている。

最近,分子状水素ガスは活性酸素種の中でも主にヒドロキシラジカル(hydroxyl radicals,・OH)を消去する作用をもつことがOhsawa らにより報告され,従来,不活性と考えられていた生体内分子状水素に新たな機能としての視点が加わった。この結果に相応するものとして,Kagaya らは若年女性では高齢者と比較し,ベースラインのみならず日本食摂食による呼気水素濃度の上昇反応の第1 相と第2 相が共に高くなることを報告している。これらの報告は呼気水素として評価される生体内水素分子は生体にとって有利に働いている可能性を示唆している。水素吸入の抗酸化ストレス作用と同様に,腸内醗酵による水素も抗酸化ストレス作用を発揮しているものと推察できる。

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