「足の爪切り屋」フットケアしろくま+α 爪切りぶろぐ

足の爪切り屋として、日々かかわっている足や爪に関することを書いてゆきます。

歩くとなぜいいか?

2013-01-03 | メモ
歩くとなぜいいか?大島清*京都大学名誉教授*2004年5月 新講社

人はなぜあるくのだろうか。
「足があるから」「道があるから」「行くべき場所があるから」「ダイエットになるから」
「生活習慣病の予防になるから」「ボケ防止になるから」「考え事は歩いたほうがまとまりやすいから」
どれも正解。だが、もし歩くことが苦痛だったらどうか。どんな理由があるにしろ、歩くことが苦痛なら
人は何とかして歩かない方法を考えるだろう。でも、散歩に出ると実に多くの人が歩いているのに出くわす。
苦しんで歩いている人など一人もいない。すると、「人はなぜ歩くか」の答えとして「楽しいから」
があっていいことになる。というより、これが一番にあって、次にいろんな目的が出てくるのではないか。
歩くことは楽しいことなのだ。
歩いているとさまざま光景に出会う。大勢の人とすれ違うし、いろんな花が咲いているのを見ることができる。
次から次に現れる商店の店頭でウインドーショッピングも可能になる。
・ 私たちは歩くことで、パノラマのように次々に目の前に転換する出来事を楽しむことができる。
「展開する出来事」はすべて情報。その情報を楽しむことは生きていることの証でもある。
・ 楽しく歩くことで結果として、健康になり、ダイエット効果が得られ、精神の明るさを取り戻し、
食欲が増して食事が楽しくなるし、心の風景が豊かになる。
キーワードは「歩くと楽しい」である。

・ 一日5000歩程度をつみますのは、それほど難しいことではないと思う。
一番簡単な方法は、30分程度の散歩である。
・ 私たちはもともと歩くことが嫌いではない。
というより私たちの脳は歩くことに喜びを感じているようにできている。歩いていると脳は、活発に動いている。
ギリシャの哲学者アリストテレスは、散歩をしながら弟子たちに講義をし、散歩をしながら議論もした。
歩くことは本能に根ざした快感であり、快感に包まれたとき脳は活発に動いているのだ。
現代人は、忙しすぎるし、潤いがなさ過ぎる。
歩くことは、こうした忙しさからしばし自分を解放することであり、かさかさした心に潤いを持たせることにもなる。

一日数千歩しか歩かないと、やがて足腰が弱ってしまう。
弊害はそれだけではない。足腰が弱ると気持ちまで弱ってしまう。「歩くこと」と「気持ち」は連動している。
最後のひとがんばりがきかない人や物事を簡単にあきらめてしまう人、ちょっとしたトラブルにつまづいて
なかなか立ち直れずくよくよ悩んでしまう人などは、意識して歩いてみるといい。
こういう人たちの中には、案外歩いていない人が多い。歩くことによって、気持ちが強くなるということがしばしばあるのだ。

・ 歩く趣味は足腰を鍛えるだけでなく、脳も若返らせるという効果がある。
人間の足と脳は直結している。わたしたちは二本の足で歩く。
人類の祖先がすでに砂漠化していたアフリカの北東部で二本足歩行を始めたのは今から400年万年以上も前のことだ。
チンパンジーよりえらいボノボというサルが、えさを求めるために4本足歩行ではラチがあかぬと、
2本足で森から森へ移動したのが、人類化への起源とされる。
・  哺乳類の中で人間とサルだけがこの世の中をカラー画像で見ているのだ。
サルと人間以外の哺乳動物は白黒画像の世界で生きている。総天然色で世の中を見、
さらに直立2速歩行を身につけて人類の能は飛躍的に進化する。
・ 全体重を2本の足で支えるため、足には大きくて強い筋肉が必要だった。
しかも2本足歩行は、4本足歩行に比べてはるかにバランスがとりづらい。わたしたちの祖先は
不安定な2本の足でバランスをとりながら、歩き回り、走り回って獲物をとらなければらなかった。
・ 2速歩行をするようになって、はるかに複雑な動きをする大小の筋肉を正確に動かすため、
おびただしい数の神経が動員されることになる。こうした体中の筋肉を動かす神経の束が集まっているところが脳だ。
・ とくに足には大腿筋という大きな筋肉がある。あるくことによって足の大きな筋肉(大腿筋)が動けば
神経組織を通じて大きな神経が脳に届く。脳が刺激されれば活発に活動する。
・ こう考えてみると、脳が若いか老いているかは、必ずしも年齢とは関係がないことがわかるだろう。
年齢が若くてもあまり歩かず、脳に伝わる刺激が乏しければ、脳は活発に働かない。年齢が高くても、
好奇心を持って歩き回れば「脳年齢」は見た目よりずっと若いはずだ。しかも、今まで歩いていない人でも
歩き始めれば、脳はふたタブ活発に活動を始める。つまり脳が若返るのだ。
歩けば脳は若返る。そう信じて歩き続けてほしい。

放っておくと筋肉は40代から落ちはじめる。
・ 健康を保つためには、一日1万歩を目安に歩くとよいといわれている。これだけ歩くとおよそ
300キロカロリーが消費される。一日これくらいあるけばカロリー方にならずにすむという目安になるのが一万歩だ。
人間は30歳代を過ぎると基礎代謝が低下し始める。
特に脂肪の分解が悪くなりそれだけ太りやすくなってしまう。
・ 加齢によって生じる基礎代謝低下の大きな原因は、筋肉の衰えによるものだ。基礎代謝の低下と筋肉の衰えは
同じようなカーブを描く。特に40を過ぎると筋肉の衰えははっきりしてきて、これについて基礎代謝の低下も大きくなる。
・ では、どうすればよいかというと、大きな筋肉を動かしてカロリーを消費させ、同時に筋肉を
衰えさせなくすればいいことになる。つまり、「歩く」ということである。

・ 「脳」に刺激が伝わるように歩く方法
・ 日本古来の武道や芸時の足さばきは「すり足」が基本になっている。つま先を大きく上げずに、
床と並行にすっすっと足を運ぶ。これは脳を刺激し、活性化させるすばらしい歩き方だ。
・ 私たちの遠い祖先が、あえて安定性のある四つんばいの姿勢を捨てて、2本足で立ち上がろうと努力を始めたとき、
懸命になってつま先で立つ練習をしたはずだ。その進化の過程は「はいはい」から立ち上がろうと一生懸命の赤ちゃんでも
みることができる。つかまり立ちをしている赤ちゃんをよく観察すると、足先がぎこちなく下を向き、つま先立ちをしよう
としているかのように見える。こうしてつま先に神経を集め立ち上がる努力をしているうちに、
つま先と脳が太い神経で結ばれることになった
・ 脳への刺激はかかとよりつま先のほうがはるかに大きいのだ。建築現場で働くとびの職人たちは、
地下足袋をはいている。地下足袋のゴム底はかなり薄く、足の感触が下に伝わりやすくなっている。
このほうが細い梁の上などを歩きやすいのだそうだ。
だからわたしたちも歩くときは、つま先を意識したい。
どすどすとかかとから歩く日といるが、ひざへの負担が大きいばかりか、歩きながらつま先からの刺激がほとんど脳に伝わらない。
・ つま先に神経を行き渡せるのが難しければ、階段や坂道を登るときにちょっと意識をしてみてほしい。
これだけでも、十分効果があるはずだ。