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◇企業システム◇CTCの子会社CTCSPがストラタスと提携し、可用性仮想化ソフトの提供開始

2009-09-16 09:13:24 | 仮想化

 【仮想化】伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社であるシーティーシー・エスピー(CTCSP)と日本ストラタステクノロジーは、世界の無停止型サーバ市場を牽引するストラタステクノロジーの連続可用性仮想化ソリューション「Stratus Avanceソフトウェア」の販売代理店契約を国内で初めて締結し、CTCSPは、販売を開始した。販売価格は初年度の保守サポート料を含めて98万円。Avanceは、仮想化された統合サーバの障害を事前に自動検知し、システムを止めずに連続稼働(99.99%以上)する業界初のソフトウェアソリューション。従来の高信頼性仮想化インフラの半分以下のコストで導入でき、ソフトウェアのインストールも15分で完了。高度な運用スキルを必要としないため、中堅・中小企業の高信頼性仮想化インフラ構築に大きく貢献する。(伊藤忠テクノソリューションズ:09年9月14日発表)

 【コメント】仮想化は多くのユーザーの注目を集めているが、中小ユーザーでは技術的な問題をクリアすることがなかなか難しく、直ぐには踏み出せないユーザーも多い。このため、最近では仮想化システムの構築を一括したソリューションとして受託するベンダーも増え始めている。特に、最近話題のクラウドコンピューティングの入り口としても仮想化は避けられないテーマであるだけに、今後各種のサービスの出現が期待されている。

 今回、CTCSPが発表した「Stratus Avanceソフトウエア」もその一つのサービスである。Avanceは、シトリックスのXenServerをベースにし、無停止型サーバで培った高信頼性技術を実装することで、強固な仮想化環境を提供する。2台の物理サーバを1つのリソースとして、その上で仮想マシンを複数稼働することができる。通常のHAソフトウェアよりも連続可用性を実現できるよう設計されており、仮想化技術を使ったシステム構築のノウハウを適用できるため、連続可用性の仮想化基盤を容易に構築できる。

 ストラタスは、これまで無停止型サーバーのトップベンダーとして多くのユーザーを持っているが、仮想化、クラウド化への移行が顕著な現在、仮想化サーバーに無停止機能を持たせるという新しいチャレンジに挑戦したもの。特に注目されるのは、Avanceが外部ディスクを必要としないこと。2台の物理サーバをプライベートリンクで接続することでローカルディスクのミラーリングを標準で行う。これにより、SANなどの高価な外部ストレージや別途ミラーリング・ソフトウェアを不要とし、標準的で低価格のIAサーバ2台で運用できという。これによって低コストで仮想化サーバーの無停止機能を実現できる。

 実は、これと同じように仮想化サーバーの二重化を図り、システムの安定稼働を実現しようという製品は、マラソンテクノロジーズが住商情報システムと提携し、日本市場で既に提供を開始している。これはマラソンテクノロジーズのソフトウエア製品「Marathon everRun VM」である。この「Marathon everRun VM」は、仮想環境上で稼働するWindows仮想マシンに対して必要なレベルの可用性を提供できるソフトウエアで、「Stratus Avanceソフトウエア」同様、OSS(オープンソースソフトウエア)の仮想化ソフト「XenServer」上で稼働する。

 今後、仮想化システムに対応する各種のソフトウエアが提供されることになろうが、その中で仮想化ソフトはこれまでVMwareがトップシェアを誇っていたが、今後XenServerがOSSである優位さを最大限生かして、仮想化市場でのシェアを拡大していくかも知れない。(ESN)