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◇企業システム◇富士通がERPソフト「GLOVIA smart FMMAX食品雑貨卸」発売

2008-06-02 10:23:05 | ERP

 富士通は、段階的に導入可能な中堅企業向けERPソリューション「GLOVIA smart」の業種別販売管理ソリューション「GLOVIA smart 販売FMMAX」(約4000社の販売実績)において、これまでカスタマイズ対応してきた食品卸売業で必要となる賞味期限管理や、雑貨卸売業におけるロット管理といった機能をパッケージ化した「GLOVIA smart 販売FMMAX食品雑貨卸」の販売を開始した。これにより、取り扱い品目、仕入先、管理項目の多様化により複雑化する食品卸売業、雑貨卸売業界の販売管理システムを、特別な機能をつくり込むことなく、短期間かつ低コストで構築することができる。(08年5月26日発表)

  【コメント】富士通の「GLOVIA smart」は、オフコンの業務・業種用ソフトの長年にわたるノウハウを基に、同社が06年6月に発売したオープン化対応の中堅企業向けERPソフトである。中堅企業向けでポイントとなるのが、いかに業務・業種に特化させるかということである。日本独特の商習慣に基づいたものだけでなく、その業種独特の環境にも合わせなければならない。昔のオフコンは、これらの業務・業種特化を武器に市場を拡大していった。時代が過ぎ、オープン化、ERP化の時代が到来したわけであるが、今後のERPソフトは中堅企業市場の拡大が期待され、ここでもオフコン時代と同様に業務・業種特化がキーポイントとなる。

  富士通は今回の発表の前の07年10月に、①業種別販売管理ソリューション「GLOVIA smart 販売FMMAX」②生産管理ソリューション「GLOVIA smart 製造PRONES」③製造管理ソリューション「GLOVIA smart製造MES」の3つのERPソフトを発売した。「GLOVIA smaet 販売FMMAX」は、ERPソフト「GLOVIA smart」に、それまで約4000社の実績を持つ販売管理ソフト「FMMAX」を組み合わせたソフトである。そして「GLOVIA smart FMMAX」に、食品雑貨卸売業の業種に特化させたのが今回の「GLOVIA smart 販売FMMAX食品雑貨卸」である。

  このように、ERPソフトベンダー各社は今後、業務・業種特化をさらに深堀させていくことになろう。一方ではSAPは今後のERPのあり方として、SOA(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャー)に全力を投入している。これは、従来のERPパッケージソフトのカスタマイズだけではユーザーニーズに対応できないと見た判断で、同社はSOAにより個々のユーザーのニーズに細かく対応しようと模索している。今後、富士通をはじめとした国産中堅企業向けERPソフトベンダー各社が、これにどう対応していくのかが、今後のERP市場の動向を探る上で重要な要素となろう。(ESN)