【ユーザー】NECおよびヴイエムウェアは、マツダのサーバー仮想化を、NECのサーバー「Express5800/120RJ-Ⅱ」、SAN対応ストレージ「iStorage DB」、ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware Infrastructure 3」などにより構築した。これによりWeb/アプリケーション/データベースなどのサーバー台数について2010年をメドに約40%程度削減する計画でいる。また、今回の仮想化と集約化によって、物理サーバー導入と比較して約25%の省電力化が見込めるとともに、保守切れに伴う大量のサーバー更新において、その更新コスト(ハード費用/ソフト費用/人件費)の最小化と更新作業の短期化を実現できることになる。国内企業の基幹系システムにおける仮想化導入事例としては最大級。 (08年12月4日発表)
【コメント】ついにサーバー仮想化構築の国内最大級のユーザー事例が登場した。サーバー仮想化はユーザーの抱えている課題の中でも緊急性が最も高いものであるが、複雑化した社内システムをどう仮想化するかということには、そう簡単な回答はない。そこでこれまで各ユーザーでは仮想化について勉強を行ってきたわけであるが、ようやくここにきて、具体的なユーザー事例が登場し始めている。これからはこれらの成功事例がセミナーなどで発表されるケースが多くなるので、これから構築されるユーザーは、これらの成功事例を参考に自社の仮想化への取り組みを前進させることができるようになる。
また、今後グリーンシステムへの取り組みが各ユーザーにも求められて来るが、仮想化はその際の有力な手段となろう。手っ取り早いのが消費電力の削減である。
サーバーやデスクトップは待機時にも定格の70-80%の電力を消費しているが、ヴイエムウェアでは「VMware Infrastructure 3」を導入することにより、これを25%以上削減できるとしている。コンピューターシステムは多量の電力を消費することは事実で、ベンダー、ユーザー一丸となった取り組みを早急に開始しないと、社会から批判を浴びないとも限らない。このためにも仮想化への取り組はますます重要課題になっている。(ESN)