【ERP】SAPジャパンは08年8月から、中堅企業向けERPの短期間・低コスト導入プログラム「SAP Business All‐in‐One FAST-START PROGRAM」を開始する。同プログラムは「SAP Business All-in‐One」(年商500億円未満の中堅企業を対象)のさらに小規模の企業を対象に、サービス、商社・卸、組立製造に対象業種を絞って提供する。「SAP Business All-in‐One」に比べて半分以下の期間で導入でき、会計、販売、購買、その他の機能を統合的にサポートするSAP ERPを3000万円からという低価格(ソフトウエアライセンス、ハードウエア、導入サービス込み)で提供可能にした。 (08年7月23日発表)
【コメント】ERP市場は大手企業の市場が飽和し、それに伴い中堅市場の開拓の切り札として、SAPは「All-in‐One」を投入した。今回、発表した「All-in‐One FAST-START PROGRAM」はさらにその下の規模のユーザーを狙ったもの。ソフトウエアライセンス、ハードウエア、導入サービス料込みで3000万円からという価格設定が、どうユーザー企業にアピールすることができるかが、成否を左右しよう。
中堅・中小企業向けERP製品は、昔のオフコン時代からの伝統ある市場で、日本のITベンダーの牙城となっている。ここに今回SAPが参入しようとするわけで、SAPといえどもそう簡単に市場参入ができるとも考えていないだろう。このとき狙い目となるのは、海外と取引が多い企業だ。もう、日本の多くの企業が海外市場を抜きに事業展開が不可能になっている。こうなるとERPのバージョンアップの際、国産ERPソフトから、SAP ERPに切り替える企業も出てこよう。(ESN)