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◇企業システム◇セブン‐イレブン・ジャパンがウインドウズ・ビスタを大量一括導入に踏み切る

2008-07-18 11:09:48 | ユーザー

 【ユーザー】セブン-イレブン・ジャパンは、社内システムにおける約5000台のPCに対して、マイクロソフトのOS「Microsoft Windows Vista Enterprise」および「Microsoft Office Professional Plus 2007」の導入を開始したと発表した。同社ではマイクロソフトの協力の下、野村総合研究所が08年1月から導入検証を開始し、現行環境からの改良、約250の業務アプリケーションの移行を経て、7月から社内展開、運用を開始している。これにより同社では、コストおよび管理工数削減、さらによりセキュアで、高い生産性を生み出す社内システム環境の構築を目指すことにしている。 (08年7月16日発表)

 【コメント】セブン‐イレブン・ジャパンが筆頭株主のインターネット銀行「セブン銀行」において、08年1月にそれまでメインフレーム上で稼働していた勘定系システムを、ウインドウズサーバーに移行させたという“事件”があった。金融機関の勘定系は安定性の問題などからメインフレームが使われてきた。しかし、メインフレームはコストが高く、セブン銀行でもコストの安いオープン系への移行を行うことにし、あまり前例のない勘定系システムのメインフレームからウインドウズサーバーへの移行を成功させた。このようにセブン‐イレブン・ジャパンのグループ企業が、ウインドウズに対するノウハウを十分に蓄積してきたという背景がある。

 今回のセブン‐イレブン・ジャパンの社内へのビスタの大量一括導入もセブン銀行と似た面を持つ。というのはビスタを現時点で大量一括導入する大手企業はまだまだ少ないからだ。これは長年使い慣れたウインドウズXPを今の時点で全面的にビスタに切り替えることを大手ユーザーがためらっているためだ。今回、セブン‐イレブン・ジャパンがビスタを導入した理由として挙げている点は、①コスト削減②管理工数削減③セキュリティ④高い生産性―などである。つまり、使い慣れしたXPを今後も使い続けるか、または特にセキュリティになどで高い評価を得ているビスタを今導入するか、この回答の一つがセブン‐イレブン・ジャパンであったわけで、今後、各企業もどちらにするのかの判断が迫られることになる。(ESN)