【ERP】現在、オープンソースソフトウエア(OSS)によるソフトウエア開発が注目を集めているが、このほど国産のオープンソースERP「HOOP」がNK情報システム(広島市南区稲荷町2-16、中村一孝社長)により開発され、“広島発のGlocalなオープンソースERPシステム”としてスタートした。この「HOOP」開発プロジェクトの一部はIPAの「06年度オープンソフトウエア活用基盤整備事業」の支援を受け、KN情報システム、オープンテクノロジーズ、SRA西日本の3社により開発されたもの。「HOOP」は5つの基本管理業務システムをベースに管理業務システムを組み合わせることにより、ERPシステムを短時間での導入が可能となる。今、OSSをベースに、地域のソフト企業が水平に分散してソフト開発をし、大手企業の下請け構造から脱却しようとする動きがあるが、「HOOP」はこの流れに乗ったERP製品で、互いに追加開発を行った製品の共有やマンパワーの過不足のカバーなどにより、今後地域活性化に貢献するものと期待が高まっている。ここでは「HOOP」サイト運営事務局に質問を行い、次のような回答を得たので掲載する。
質問① オープンソース型ERPソフト「HOOP」は、どのようなユーザー(企業規 模、業種など)を想定していますか。また、利用に際しては、ユーザー企業自身 が独自にダウンロードし、カスタマイズし、メンテナンスまで行うことを前提と したものですか。
HOOPサイト運営事務局 ERPを導入し、経営効率が上がると思われる、従業員数50人以上、売上高10億円以上の企業を想定しています。業種はあらゆる業種を想定しています。利用に関しては、自社でダウンロード、カスタマイズ、運用時の障害対応等が困難な場合は、弊社での有償サポート対応が可能です。
質問② 現在各社から発売されている「HOOP」と同類のパッケージ型ERPソフト製品に比べて、価格以外の優位性はどこにありますか。
HOOPサイト運営事務局 同類のパッケージ型ERPソフト製品について具体的に分からないと比較が困難ですが、弊社の製品は価格が安いことと、将来の拡張性が高いこと、またソースコードが公開されているため、ユーザーが自らカスタマイズや機能拡張を行えることが特徴として挙げられます。
質問③ 「HOOP」を普及させるために、コンソーシアムなどを組織化する計画は ありますか。
HOOPサイト運営事務局 現在、弊社の拠点である広島に「ひろしまオープンソフトウェアコンソーシアム」というNPO法人があり、弊社も加入しております。
質問④ 「HOOP」がオープンソース機能を使い今後発展するとなると、どのよう な将来像が考えられますか。
HOOPサイト運営事務局 まず、地域のオープンソース団体と連携を深め、「HOOP」をコアとして様々な業種向けの追加開発を行った製品をお互いが共有することによって、安くて早いシステム構築が可能となります。また製品の共有だけでなくマンパワーの過不足をお互いが補うことによって、地域ソフト会社間の連携が可能となり、地域活性化にも役立つと思われます。