脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

心の叫び『わかってほしい心』過去の出来事と妻の苦悩 

2014年10月14日 10時02分17秒 | 拒食症との戦い
平成25年 新しい年を迎えると、どこの家庭でも新年を祝い和やかな団欒を家族ですごすものでしょう。年賀状に目を通し恒例の正月番組を見ながら御節料理に箸を伸ばし雑煮を食べる・・そこには家族の笑顔が溢れている・・そんな普通の新年を迎えることが出来ていたのに・・・平成25年の我が家の正月・・妻は正月に出勤したら時給がいいからと派遣の仕事で家を留守に・・次女は友人と出かけていない。リビングのテーブルの上には年末に宅急便で届いた重箱が寂しそうに置かれてあった。正月というのに・・なんと無味乾燥な空気が充満しているのか・・・長女は1階の客間で未だ寝ている。(こんな元旦を迎えるなんて・・)私はキッチンに行きキャビネットを開け・・大好きな芋焼酎を取り出した。正月くらい・・まだ起きてまもないにも関わらずお湯割りに梅干しを1つグラスに落とした。割りばしで梅干しを解し軽くかきまぜて飲む。今の唯一の楽しみはこれだけ・・リモコンを手に取りテレビをつけると、どこかのロケだろうか・・人混みの中で某芸能人が着物を着て何やら話しているが耳に入ってこない。それよりも芸能人の背後に写っている一般の人達の嬉しそうな表情・・楽し気な雰囲気ばかりが目に飛び込んでくる・・・(俺・・何してるんやろ?)テーブルの上に置いてある重箱のフタを開けて焼酎の摘まみにしながら、ただ茫然とテレビを眺めていました。何分経過したことでしょう・・『お父さん・・』急に私の後ろから声が聞こえたのです。眠そうな目をこすりながらリビングに入ってきた長女が『朝から飲んで・・あ!正月・・元旦やね・・正月はいいか・・』何やら今日は機嫌が良く話しかけてくる。『お父さんだけ???』『そやで・・』ぶっきらぼうに答える私を見て『二人で初詣行こうか♪』私は驚きました。どういう風の吹き回しなんだろう?『そうやな♪』家の中で焼酎ばかり飲むより娘と出かけることの方が良いかもしれない・・その時、一瞬思ったのです。私に何か話でもあるのか・・・そんな事を思いながらも娘と橿原神宮まで足を伸ばしました。焼酎の酔いで、ほんのり赤い顔をしながら娘と二人。(この子と二人で歩くのは何年ぶりだろうか・・)まだ次女が赤ん坊の頃・・札幌に住んでいたとき雪道を手を繋いで歩いたとき以来かもしれない・・街路樹の実が紅く染まり雪の上に落ち始めると『とうと・・カレーの、お漬物みたいやね♪』その実が雪道に落ち人の足で踏まれ潰れた様は確かに福神漬けのようでした。『A香、うまいこと言うなぁ♪』そう返した私の言葉に笑って答えるA香・・もう高校3年生。初詣に行くのに長女はジャージにパーカーを着て上からダウンジャケット。化粧っけもなくマスクを付けている。(この姿がこの子の心の表れなんや・・)娘のファッションには口に出さず心で思っている自分がありました。洋服が大好きで化粧も高校1年生になったとたん覚え近所の同級生よりもオシャレに目覚めていた娘だったのに・・『お父さん、久しぶりやね♪ウチと二人で出かけるの・・』長女は橿原神宮までの電車の中で学校のこと、アルバイトのこと・・そして・・『ウチ・・中学の時・・保健室で保険の先生とお弁当食べてたときもあるねん。』それまでの笑顔が消えた。『お父さん・・知らんかったやろ?お母さんも・・ただ一人の友達のY子ちゃんだけ・・』私は、どう反応して良いのか分からず黙って聞いているだけでした。『お父さんも、お母さんも何もウチのこと、わかってへんよ。・・』少し笑って『もうすぐ着くね。着いたら、御参りして・・とうもろこし食べよ♪ウチ、拒食症やけど・・トウモロコシなら食べられると思う♪』橿原神宮駅は初詣客でごった返していた。改札を出ると、いきなり屋台が立ち並び綿菓子やリンゴ飴・・どこからともなくソースの焼けた良い香りが漂う。『お父さん・・お好み食べる?ウチがおごってあげる♪』急に子供のようにハシャグ長女を見ると・・どこが病気なんだろう?そんな気持ちにさえなる。拒食がこのまま治ってくれれば・・『まずは、御参りに行こうや』私と長女は屋台が並ぶ道を歩き正月気分を味わいながら屋台の食べ物・・時々おいてある名前占いに目をやりながら、ほんの少しの穏やかな時間を楽しんでいました。『お父さん!あれ!タマネギ丸ごとスープ!!ウチ、あれ食べたい』大きな声で言う長女の指さす方向を見るとパラソルの下で若い女の子が大きな鍋の前でタマネギスープを売っていた。拒食症の娘の口から【食べたい】という言葉・・Y心理療法センターのカウンセラーの言葉を思い出した『拒食症の子は・・本当は食べたくて食べたくて仕方がないんです。食欲ですから・・拒食症になる子は真面目で信念の固い子がなりやすいのです・・でも・・多くの子は食欲には勝てません・・勝った子は死を選び負ける子は・・食欲以外で勝つことなんです』その言葉の本当の意味を、この時点で未だ理解していませんでしたが、わかったことは拒食症の子にも【食べたい欲求がある】ことでした。長女とお参りを済ませ御札を貰い『タマネギスープ食べるか?』わたしが誘うと『うん♪』笑顔で答える娘を心から愛おしく思ったのです。””食べるか?””そう誘う言葉は長女には絶対と言ってよいほどの禁句ですが、この日は大丈夫でした。右に左に露店が立ち並びおでんやビールも目に入ると『お父さん・・こっちの方がええんちゃう?』ビールを指さす娘に『そやな♪でも、先にタマネギスープ食べよう♪』ビールを横目にさっき見たパラソルのところまで行くと周りに5~6名のお客さんがいた。『結構、繁盛してんねんな。美味しいかも?』娘が『2つください♪』お金を渡そうとすると『ええねん。バイト代あるし!』タマネギスープを受け取り少し路地に入ってから二人で食べ始めた。『美味しいね♪』無邪気に笑顔を見せる長女を見て、ふと・・長女の笑顔を見るのは本当に久しぶりであったことを私は気付いたのでした。
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