深キ眠リニ現ヲミル

放浪の凡人、中庸の雑記です。
SSなど綴る事アリ。

読書感想3

2006年07月10日 | 感想
最近の巡歴。

一.夢枕獏『キマイラシリーズ』(朝日ソノラマ)→現在二巻まで読了。

二.乙一『さみしさの周波数』(角川)

 まず、一であるが、部屋の奥底に眠っていたのを掘り起こした事が、発端だった。しかし、残念な事に何故か三巻四巻が欠落していて、今の所二巻までしか読んでいない。
 実は彼の作品は初めて読む。もともと読書家ではないので、年に一冊読むか読まないかの人間なんで。近年は別ですが。
 で、件の作品なのですが、作者があとがきでも述べているように、「絶対面白」かった。妙な日本語になったが、これを読んで、きっと自分じゃなくても、どんな人も楽しめるものだなと思った。かなり少年・青年向けではあるが、その中には読者を魅了する作者の魂が詰まっていた。
 続きが読みたいなぁ。

 二.はお金を崩したくて、買ったものでありますが、もともと気になっていた。彼らしい短編集であるけれど、『失踪ホリデイ』よりこっちのが好きかな。それぞれの短編が光っていた。未来予報はやたらと切なく、泥棒の物語はユーモアに満ちた伸び伸びとした作品だったし、失はれた物語はぞっとしたね。(←いい意味で)フィルム少女も珍しい書き口で、よくこれで書けたなとか思ったり、思わなかったり、思いながらも唸ったり……。次は『zoo』かな。