深キ眠リニ現ヲミル

放浪の凡人、中庸の雑記です。
SSなど綴る事アリ。

猛る想い、静穏な心

2007年02月15日 | 小説/SS
「馬鹿野郎、何度言ったらわかるようになるんだ。能無しが!」
 若い青年工員はシュンとして何も言わずにじっと耐えていた。すぐに終わってしまう。こんな説教。そうだと分かっていても、精神的に辛い。畜生。
「わかったのか!」
 身の丈180cmを超える大柄な監督は腰痛で体が軋むのをこらえていた。少し言い過ぎちまったか。しかし、こいつはなんて悲壮な目をするのだ。こんなんでよく生きてこれたもんだ。 思わず監督の口からため息が漏れる。いくら言っても無駄なのか。少しは意地を見せはせんのか。どうしたものか。
「ええ?」
 答えを促すように監督が首をくいとあげると、若い方は一層萎縮したが、やがて頷いた。またどうせ、上とうまくいかないから、俺に八つ当たりしてんだろ。そろそろよしてくれ。もううんざりだ。
 監督は死んだような若い工員の目を見て、更に暗澹とした。何にも分かっていない。それどころか拒絶しているんじゃないか。どうしたものか。もう駄目なのか。こいつは。このままじゃまた同じ間違いをする。
「・・・」
 若い工員はまだ、この説教が長引くのかと思い。気を重くしていた。
「なぁ、今日一杯飲みにいかないか?」
 監督の口から思わぬ言葉が漏れていた。どうしてこんなことを言ったのか。自分が声を張り上げる度にどこかで昔の自分の姿が思い浮かんでいた。それもある。顔も覚えていない誰かにそう言われてとても救われた思い。それが突き動かしたのかもしれない。
 辛いとき、誰でもいい。少しでも息を抜いて話ができたら、それは束の間だけれど、救われた気持ちになれる。暖かい酒と、静穏な心。若い工員は知らぬ間に小さな声で、賛同していた。
 二人の心にふと、硬いワイヤーがカチリと切れるように、猛る思いがふわとほんの少しだけ軽くなった。

李香蘭

2007年02月13日 | 感想
 この三連休に「李香蘭」と題してドラマがやっていましたね。何故かばっちり見てしまった。前に四季の舞台でも見たけれど、内容がまとまっていて分かりやすかったイメージ。やっぱり映像はパワーがあるなぁと思いました。最初主演が上戸彩と聞いた時に合うのかな、と疑問符があったけれど実際みてみるとそれほど違和感は感じなかったかな。私は実際の本人を知らないのでなんとも言えないが・・・。
 まず、面白いと感じる点はやはり歌でしたね。蘇州の夜とか、夜来香とかはやっぱり素敵な曲だなぁと感じましたね。あの旋律は耳に残る。夜来香は前に遊佐未森のカバーアルバムで聞きましたけど、今聞いても素敵さは色あせない曲ですね。
 あと、李香蘭をとりまく人間関係が面白かった。「李香蘭を守る会」というのが、出てくるのだけれど、そのメンバーが安部首相の祖父にあたる岸信介だったり、日産の鮎川義介だったり・・・。それに、岸の叔父が松岡洋右だけれど、山口淑子はその息子(岸にとっては従兄弟ってことか)と懇意にする時期があったりして、濃密な人間関係でしたわ。
 現実は映画よりも奇、とは本当かもしれません。このドラマが100%の純粋な真実でないとしても、確かに真実に近いと考えると現実は奇怪至極だなと思います。下手な想像や妄想なんかじゃ現実の出来事を越えたりすることはできないなぁ。ホントに。
もっと強く生きたいなぁ。なんてね。

パソコン

2007年02月08日 | 日記
 先日購入したパソコンが、先日届いてからというもの、よりいっそういじっている。今度のは親のノートに比べると、パワーは落ちるけれど、なかなかコンパクトで軽い。あとは、デザインも中身もシンプルで非常にクールである。あんまし無理をさせないようにしたいですね・・・。
 メーカーは工人舎で型はSW1H46Fである。APERAとかいうブランドらしいが、あまり聞かない。工人舎は更に小型のサブノート系が多いみたいで、14型ノートは印象が薄い気もするが、ユーザーとしてはあまり不満はない。
 ただ、半分半分のパーティション割りは、FUJITSUを使っていた身からすると、慣れないものがありますね。tera termもいれたので、ネットワークにつなげば、いつでもHP更新に勤しめる。ははは___てか、今までもそんなに違わないですなぁ。エディタで作ってアップするだけだものな。

さて、明日はいよいよ入寮説明会。どこの寮になるのやら、期待と不安が七三くらいですwww