深キ眠リニ現ヲミル

放浪の凡人、中庸の雑記です。
SSなど綴る事アリ。

小野不由美

2006年07月20日 | 感想
しばらくサボっていた十二国記シリーズをまた読み出した。
以前に、何で読む気を失ったかといえば、間違いなく
『図南の翼』であろう。

「十二国記シリーズ」
 大体シリーズには上下あるのが四作品で、一冊一話がこの『図南』と『東の海神、西の滄海』、そして短編集が『華胥の夢』となっています。アニメ化されたことも有名ですね。悪いけどBS放送当時毎週欠かさず見ていたよ(笑)
 もともとアジアンテイストが好きなんで。

『図南の翼』
 これは単行本にしたら厚いほうですね。内容は詳しくは触れませんが、十二国で九十年の治世を誇る恭国供王珠晶が王になるまでの話。
 悪いけど、そんなに面白いとは思えない。確かに珠昌が成長していく様が描かれていて良いのだが、一本筋過ぎるという感じがして……だのにこんなに厚いのは反則だというのが感想です。

『華胥の幽夢』
 これはシリーズで一番好きな一冊かもしれない。勿論これを読むには、シリーズの他の作品を読んでいることが、十分条件です。読んでないと楽しめないかも。
どれも俊逸なのだが、中でもタイトルにもなっている「華胥」は好きです。才国に暴君を斃した賢明な王が登極した。しかし、国政は立ち直らない日々が続く……。采麟が可哀想過ぎです。
 暗い話ですが、それを正しいと信じる方向に進もうとする人々の心の葛藤などがしきつまっている。
 あとは「乗月」ですかね。月渓の葛藤がまたいいですね。

『東の海神、西の滄海』
 これは構成的に素敵でした。二人の少年とその主君。最初の道理のありかは明らかに負けている王なんですが、、、これまたやってくれちゃいます。流石十二国で二番目に長命な王朝の主。



『風の万里、黎明の空』は小説でまだ読んでないんだよなぁ。