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戦艦大和を考える 7

2018年02月24日 | 国家防衛

戦艦大和を考える 7

軍事的に考えて日本に不適当な大戦艦をどんな理由で作ったか?
理由と想定した攻撃目標とは何だったのだろう・・・
推測する前提に当時の海軍周辺の状況を振り返ると・・
大日本帝国の国防を検討した陸軍が大本営運営の現状を危惧し
陸軍と海軍の軍事的一体化、すなわち指揮系統と軍政の一体化を
提案し実現に動いた。つまり大本営海軍軍令部の改革や廃止。
これを海軍上層部は陸軍による海軍に対する支配と受け止め強硬に
反対した。現代官僚界で言うところの組織防衛と自己保身・・・
陸軍は兵力が多く強大で有り憲兵隊も全国土で強力に活動。

軍事的に適している軍事力統合という動きに単なる反対では阻止不能。
大組織の支配層は馬鹿や無能では無い。
阻止する案を思いつき実行したのだ、と想う・・・
案とは何か?
陸軍を敵と想定し攻撃できる有効な海軍力を装備する事。
実現すれば陸軍のどんな提案や命令をも実力で阻止し排除できる。
具体的な方策・・・
陸軍の攻撃に充分耐え、近海から砲撃で陸軍要塞さえ粉砕する大戦艦。
主砲射程30キロ以上なら日本の陸軍施設と駐屯地のほとんどを含む・・
地下施設破壊には巨大砲弾を要する・・・

巨大な主砲、重装甲、低速度、対地攻撃力重視、通信重視の大戦艦。
大和級に3隻もの予算を海軍は秘密裏に振り向けて建造に動いた・・
政府にも陸軍にも海軍にも秘密で進めた・・・
それでも陸軍上層部は気が付いただろう、けれど表向きはアメリカを
仮想的としている海軍である。
大戦艦は対米戦に備える為であると主張されれば反論出来ない・・・

天皇は陸軍の強大化を望まない・・・
陸軍は大戦艦に反感を持つが有効な阻止策は無い・・・
大和計画で膨大な資材が海軍に振り向けられ陸軍向けの資材は不足。
陸軍の戦力増強に齟齬となる。
海軍は大本営統合を阻止し、大和級建造という巨大利権を分け合う。
陸軍が海軍を全力で潰し大本営統合に動く前に我が国の眼前に・・・
大戦争が急速に迫る・・・

海軍は優秀で馬鹿で無いからアメリカの参戦が無い場合は陸軍による
勝利が重なると推定出来ただろう。イギリスはドイツで忙しい・・・
インドをも陸軍が開放した場合、海軍の予算は現状維持か減らされて
陸軍予算は急激に増大する。陸軍独自の海軍さえ補給名目で容認される
事も起こりえる。インドを失ったイギリスはドイツに対抗不能・・・
ドイツは全力でソ連攻撃に出て戦況はドイツ勝利に傾く。
陸軍はインド開放後にソ連解放に動くは明白、数十年に渡る対ソ戦研究
が在るのだ。そうなれば海軍不要論が我が国に満ちる・・・

組織防衛と海軍利権、自己保身の上層部はどんな策を立てたのか?
アメリカを参戦させれば陸軍による大勝利は無い、海軍上層は安全。
危機に際し、海軍の保全を捨て海軍上層の保身を最優先に動いた・・・

我が国、日本対アメリカ全面戦争・・・
海軍は陸軍の強い反対意見、内部の反対さえ完全無視でハワイ攻撃。
目的通りアメリカによる対日戦争宣言を導きだした。
後は陸軍を邪魔し捨てて戦力を削ぐ、海軍の戦力消滅も実行する・・
ドイツや陸軍の要請を軽視しインド洋作戦に海軍主戦力を投入せず。
ミッドウェーで日本主力空母4隻を消滅・・・
陸軍を見捨てる多くの海軍司令官、陸軍に対するでたらめの勝利通告。
ゼロ戦に対する性能劣化となる改変の強要と大量生産で戦場の敗北。

戦場の将兵は死力を尽くし任務を果たした・・・
結果は?
陸軍は消滅し、帝国領土の多くを失い、国土は灰燼と成り果て、
兵民数百万が落命。海軍さえ将兵と艦艇を失い消滅した・・・
占領下の戦後に残ったのは何か?
裸の天皇家と海軍上層の者達・・・

なぜ戦艦大和は最後まで残ったのか?
海軍上層が陸軍を攻撃する手段として残したから、と想えるのだ・・

歴史とは残された文物から過去を見定める事。
戦艦大和は海軍上層を守る手段。
それを忠節とか忠義とか恩義とか誇りとか多くの名で呼ぶ・・・

第二次世界大戦、日本の大勝利となる可能性は高かった、かも?
それを潰した海軍上層、その褒美で占領軍による追及は無し。
軍人恩給を老衰で死ぬまで受けつつ宴会を繰り返し寿命を迎えた。

・・・とまあ、考える者も意外と大勢居るのかも?

 

 

 

 


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