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小説「2023年日本転移」48話

2020年12月31日 | 小説

     48話 海岸平地

分隊で言えば4個規模に相当する先道隊52名は間隔5mで
左右240mに散開し前進を開始。驚異となる相手は生物
なので間隔はわずか5m、銃撃戦に備えた散開とは異なる。
地面は驚くほど平坦、長年の植物堆積だろうか弾力がある。
植物は多様、地球と違う特徴は緑色だが60%は白が混じる、
見える範囲の全てに白が混じり複雑な模様が種類で変わる。

段差から200m前進を確認した車両4台が段差を登り50m
進み20m間隔で並ぶ、内側2台は35ミリ、外が12.7ミリ。
支援射程3000m。
運転室の上部に追加された見張り台が2m上昇、点滅灯光器
の機能確認を終了し前進して行く分隊との光点滅通信を確立。
全隊員は無線機装備だが非常事態以外での通信は禁止と厳命。

見張り台の観察双眼鏡が妙な形を見つけた
車両相互は優先電話で連絡を保っている。4両で形を確認した。
正面からわずかに右前方800mに径6mのドーム状構造物が多数。
車両の隊員は全員が驚愕した
(まさか、まさか原住民が居るのか・・・)

分隊は前進するが見かけより植物の強度が高い、たとえるなら
ばね鋼で作られた模型植物の強さ。
高さは肩に達し分けて進むたびに体力を減らす・・・
草なのに果実をつけてる種類も多い
(うまそうだ・・・)
動物は周囲に見えない逃げて行く音は聞こえるので存在は確実。
録音はしてるから後で解析に回せば良いだけだ。

白い森林は遠い・・・距離で無く、歩行前進の困難で遠い。
純白の木々、緑の枝葉、種類は多様で光に煌めく。
森の手前は鳥?が多数飛び交う。
前方にわずかな低地を見つけた隊員が注意の合図、うごめくのは
海岸段差で出てきた1mゴキブリ?が数十。
(うわあーーーこいつは嫌だーーー)

「注目、情報が来た、右前方に集落構造。右15度に進路変更」
隊員たちは喜んで右に進む。
(集落構造?現地人・・・まさかな)
先道隊の全員に緊張が走った
(対人戦闘・・・不安だ・・・)
色とりどりの花が咲いてる背髙植物の草原で現地人と戦闘は不利。
音を消しドームに接近、音は聞こえず広場は無く生活環は無い。

合図で3名が近くのドームに張り付き偵察鏡の棒を挿入。
一人が戻って少尉に報告
「人工物では有りません、植物により出来た構造で動物は居ません」
「良し、全員で確認 」
「20個観察、全て同じです」
「良し、伍長、全員に伝達、散開し森に前進」
「はい!」
車両隊員に自然物と信号送信。

森の手前50mに到達、状況報告に伝令を1名送り出した。
車両から船艇に伝達。
24隻の隊員が上陸を開始、上陸終了まで6時間。
総司令官は小口径銃器が現地生物を破壊した事に絶望が消えた。
(良かった・・・黒岩石が居なくて本当に良かった・・・)

 

 

 

 

 

 


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