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小説「2023年日本転移」50話

2020年12月31日 | 小説

     50話 進行する決戦体制

戦略偵察航空団各基地に新型機の配備が急速に進んでる。
木竹製の機体に全機械式計器と操縦機能で電気装置は無い。
エンジンは航空用レシプロV型12気筒1400馬力復水器付き。
燃料は軽油やジェット燃料、液体なら種類を問わない。
エンジンさえ木竹製、竹繊維樹脂の射出成型で生産。
エンジン補器用蒸気エンジン20馬力。

高度6000で時速750キロ、実用高度22000、滞空時間5時間。
乗員2名。偵察機材は機械式カメラ3台、対地双眼測距義。
機械式電磁気記録装置、外気記録装置、不時着時染料、
信号銃、生産は自動編上げ装置と既存手段で大量量産。
エンジン構造も原理が単純で工作は容易。
航空灯さえガス灯を採用した。

現在600機を配備し一次計画の1000機に残るは400機。
二次計画で2000機を配備。
減耗を考慮すると外周陸地の偵察には足りないと判断。
軍及び研究所では減耗60%と推測されてる。
山脈深くの詳細は現在、偵察不能なので推測自体が不正確。

日本脱出用船舶の設計と建造施設の構築も進行中。
追撃を減少させる目的でレシプロ多気筒蒸気エンジン。
船体は木竹、プラスチックにコンクリ、セラミック。
排水トン数で1000tから2000t。
電気、電子装置は搭載してるが稼働には厳重な制限命令。
偵察機と船舶運用の要員訓練を厳しく急いで実行中。

探険建設軍の装備として小型偵察機の生産が決定。
蒸気エンジン採用で離陸60m着陸25m乗員2名。
30日後100機を第一拠点に輸送の予定。
同時輸送で非老人男女2万人を輸送、拠点1ヵ所に10万人計画。
現地輸送の資材は調査不充分で未定。

杉原総理の表情はさえない・・・
「資料の通り偵察計画と脱出路計画は予定通り進展してる・・・」
一息おいて大臣達が顔を眺め合った
「それにしては、浮かない顔だが・・・」
「予定通りでも安心には遠い・・・みなも承知の事だが・・・
偵察を増やしても岩石族の大規模攻撃を防ぐ事は不可能だ・・・」
全員がゆっくり頷く
「だが、攻撃を30日前に知る事が出来れば避難を・・・・」
総軍と運輸交通大臣が叫んだ
「避難と言うがどこに逃げるんだ」

誰も話せず声さえ出せずに10分が過ぎた
「九州で良い・・・間に合えば台湾に・・・逃がそう」
「しかし・・・生活いや生存が破たんするぞ・・・」
「総理として言えるのは岩石族侵入に抵抗してる間に逃がす
としか言えない。その為に老人300万人を・・・北海道に・・・」
全員が沈痛・・・
老人をさらに200万を北海道に輸送中、総軍大臣が口を開いた
「船を増やしてる、可能な限り大勢を南に逃がそう」
総理を含め全員が苦しい賛意を示した。

総理が第二総局長に目を向けた
「総局としての・・・意見を・・・欲しい・・・」
何時ものように日本茶を飲みゆっくり置いた
「意見は無い、老人集団にどうせ未来は無いのだし、ここまで
生きて幸せと言うのが大多数の想いだよ、岩石怪物と心中も良い」
「無駄にはしない。脱出路建設を必ず実現する」

第一拠点で建設が急速に進む。
飛行場に偵察航空団が移動し持続偵察の準備が整う。
隊員宿舎が建設され設備も整う。
広範囲を整地しコンテナ倉庫が広がる。
155ミリ榴弾砲部隊が展開し支援砲撃準備完了1門弾数600発。
東方に戦車と自走砲部隊。装甲車部隊は飛行場と宿舎周辺に配置。

探険分隊30が偵察行動中。
最大生物は6mの陸ガメ?手足のほかに触手を数本備え地下に伸ばし
動きを止めて数日と言う性質で攻撃性は低い。25ミリで無害化可能。
生物相は多種多様で研究所の本格調査を待つ。
装備資材の揚陸はまだ残る。
気に成るのは上空の巨大鳥?で攻撃性の有無は不明。

次の行動は岸壁の建設。
2万t級接岸を20ヵ所を計画、建設後5000トン級を40ヵ所予定。
行動は順調、しかし総司令の心の不安は消えない
(あの岩石族が1匹でも侵入すれば全滅・・・)同じ想いの繰り返し。
熱い紅茶が置かれた
「少尉は気が利くね・・・ほっとするよ」
「判りませんが、私に出来る事ですから」
「そうだ・・・出来る事を実行だな・・・」

 

 

 

 


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